2017年12月24日日曜日

ブロット・コントレ(Belote contrée)

シャッフル禁止のトリックテイキングゲーム

「ブロット・コントレ」は、フランスでよく遊ばれている「ブロット」の一種です。
4人のペア戦になります。
通常のトランプよりジョーカー、各スートの2~6を除きます。
使うカードは全部で32枚です。
このゲームは時計回りに進行します。
予めプレイするディール数(ゲーム数)を決めておきます。
ゲームを始める前に心残りがないよう、よくシャッフルしておくことをお勧めします。


カードの強さと点数

以下の表の通りになります。


ブロット

手札に切り札のKとQがあれば、それを宣言することで20点獲得します


ディール

カードをドローして、最も低いカードを引いたプレイヤーが最初のディーラーになります。
以降ディラーは時計回りに持ち回りで交代します。
ドローの時のランクの強さはA>K>Q>J>10>9>8>7になります。
もし同じ強さのカードを引いたプレイヤーが複数いる場合は、ディーラーが決まるまでカードを引き直します。
以降カードは一切シャッフルしません。
ディーラーは、カードを集め右隣にカットしてもらった後、左隣のプレイヤーから時計回りにカードを配ります。
まず各プレイヤーに3枚ずつ配り、その次に2枚ずつ、最後に3枚配ります。
各プレイヤーの手札は8枚になります。
切り札以外のカードの点数で、手札のカードの点数の合計が10点以下の時は、配り直しを請求することができます。このときディーラーは交代しません。

ビッド

ディラーの左隣のプレイヤーから時計回りにビッドを行います。
ビッドは取れると思う点数を10点単位に宣言し、さらに切り札も宣言します。
最低のビッドは80です。切り札による優劣はありません。
※ルール上明記されていませんが、1つのスートを宣言する記載から、ノートランプにすることはできないようです。
例えば「80♠」、「100」というふうにビッドをします。
また最も強いビッドは「カポ」になります。
「カポ」は、ペアで全トリックを取るという宣言になります。
「カポ」の宣言の時も切り札を宣言します。
ビッドしたくない場合はパスをします。一度パスをしても再び自分のビッドをする番になった時に、ビッドをすることができます。
直前のプレイヤーがビッドした場合は、それよりも高い数値のビッドを宣言するか、またはパスをします。
相手チームのプレイヤーのビッドの後、自分のビッドの番になった時に「コントレ」の宣言をすることができます。
この宣言は点数を2倍にするという宣言になります。
相手チームプレイヤーの「コントレ」宣言の後、自分の番の時に、得点を4倍にする「シュールコントレ」の宣言をすることができます。
「コントレ」、または「シュールコントレ」の後に通常のビッドがあった場合は、それまでの「コントレ」、または「シュールコントレ」は無効になります。
その場合は再度通常のビッドの後に「コントレ」の宣言ができます。
3人続けてパスをするとビッドは終了します。
もし誰もビッドすることなく、全員パスした場合は配り直しになります。
このときもシャッフルすることはできません。

プレイ

ディラーの左隣のプレイヤーが最初のリードプレイヤーになります。
リードプレイヤーは手札から任意の1枚をプレイします。
フォローの規則は以下の通りになります。
➢切り札がリードされた時
  1. 今までに場に出た切り札より強い切り札を持っている場合は、必ず出さなければなりません。強い切り札が複数ある場合、どれを出してもかまいません。
  2. 弱い切り札しかない場合、弱い切り札のうちいずれか1枚を出します。
  3. 切り札が1枚もない場合は、何を出してもかまいません。
➢切り札以外がリードされた時
  1. リードされたスートを持っている場合、リードされたスートを出さなければなりません。ただし強いカードを出す必要はありません。
  2. リードされたスートがない場合、パートナーが切り札以外で既に強いカードを出している時は、何をだしてもかまいません。
  3. リードされたスートがない場合、パートナーが切り札を出していて、切り札を出すときは、それより強い切り札があるときは、より強い切り札のうちいずれか1枚を出します。パートナーが出した切り札より弱い切り札しかない場合は、弱い切り札うちいずれか1枚を出します。切り札を出さない場合は、切り札以外なら何を出してもかまいません。
  4. リードされたスートがない場合、パートナーが弱いカードを出している場合、今出ている切り札より強い切り札があれば、より強い切り札のうちいずれか1枚を出します。弱い切り札しかない場合は、弱い切り札うちいずれか1枚を出します。切り札がなければ何を出してもかまいません。
切り札が出ている場合は、切り札のうち一番強いカードを出したプレイヤーがトリックを取ります。切り札が1枚も出ていなければ、リードで出されたスートの内、一番強いカードを出したプレイヤーがトリックを取ります。
トリックを取ったプレイヤーが次のリードプレイヤーになります。
最後のトリックに勝ったチームは、10点獲得します。
ブロットの宣言
手札に切り札のKとQを持っているプレイヤーは、プレイするときに以下の方法で「ブロット」の宣言することができます。
  1. 自分のプレイ時に、切り札のKまたはQのいずれか1枚を最初にプレイする際に「ブロット」と宣言する。出すときのルールは上記のフォローのルールを守らなくてはなりません。
  2. 自分のプレイ時に、残りの切り札のKまたはQの1枚をプレイする際に「ルブロット」と宣言する。出すときのルールは上記のフォローのルールを守らなくてはなりません。

得点

得点は以下の得点を合計します。
  • トリックで取ったカードの合計点(最高152点)
  • 最後のトリックを取った得点(10点)
  • ブロット(20点)
上記の合計点がビッドした点数以上であれば成功、そうでない場合は失敗です。
「ガボ」を宣言した場合は、全トリック取らなかったら失敗です。

ビッドが成功した場合
ビッドしたチームは取った得点の合計点+ビッドの点数
を獲得します。
例えばビッドで100を宣言し、実際の合計点が120点の場合は、100+120=220点になります。
相手チームも取った得点分だけ得点を獲得します。
「ガボ」を宣言して成功した場合は、500点獲得します。

➢ビッドが失敗した場合:
ビッドしたチームは得点を獲得できません。
相手チームは:
160+ビッドチームの宣言した点+ブロットの得点(20点)
を獲得します。
ブロットはビッドチーム、相手チームがしたかにもかかわらず、相手チームが得点できます。
ブロットがなかった場合は得点を獲得できません。
「ガボ」宣言を失敗した場合は、相手チームが410点獲得します。
ブロットの宣言があった場合は、それに加え20点獲得します。

コンベンション

パートナーのビッドの後で、最初のビッドをするときに、次のようなビッドをすることでパートナーに情報を伝えることができます。
このコンベンションを使うかどうかは、ゲーム前に確認してください。
ゲームに慣れていないうちは使わないことをお勧めします。
  1. 「80のビッド」:切り札のJか9のいずれか1枚を持っていて、他に切り札を1枚以上持っていることを示します。パートナーは切り札のJか9のいずれか1枚を持っているよきだけ90にビッドを上げることができます。もし切り札のJか9のいずれか1枚を持っていて、かつ切り札を1枚以上持っている場合は、それ以上ビッドで上げることができます。
  2. 「90のビッド」:切り札のJと9の両方を持っていて、他に切り札を1枚以上持っていることを示します。パートナーは点数のカードがあればその分上げることができます。
  3. 「100のビッド」:切り札のJと9の両方を持っていて、かつ切り札2枚とA1枚を持っていることを示します。または切り札のJと9の両方を持っていて、かつ切り札1枚とA2枚でもかまいません。パートナーは点数のカードがあればその分上げることができます。
  4. 「110」のビッド:切り札のJと9の両方を持っていて、かつ切り札2枚と他のスートのA2枚を持っていることを示します。パートナーは点数のカードがあればその分上げることができます。
  5. 「120のビッド」:手札に2つのスートしかなく、かつビッドした切り札のJと9の両方があることを示します。パートナーはビッドしたスート以外にAが3枚持っているときだけ10上げることができます。
  6. 130以上のビッド:「ガボ」ができるかもしれないが、確実ではないことを示します。

ゲームの終了

予め決めたディー数をプレイしたらゲームの終了です。
得点が高いチームの勝利です。
または予め点数を決めておいてもいいでしょう。通常は3000点以上ですが、好みで決めても良いです。


シャッフルしないことがこんなに違和感を生むのかと、感じるゲームでした。
シャッフルしないと手札が偏るのではないかと思ったのですが、実際に遊んでみるとそんなことはありませんでした。
ゲーム自体は面白いので、機会があればまた遊んでみたいと思います。
でもシャッフルできないので、フラストレーションがたまりそうです(笑)。

参考サイト

ウィキペディア(フランス語)
Belote contrée en ligne
Différence entre belote coinchée et belote contrée

2017年12月23日土曜日

トレス(TRÈS)

トレスは2人用のトリックテイキングゲームです。
通常のトランプよりジョーカー及び5を除きます。
使うカードは全部で51枚になります。
ゲームの終了は特に決められていません。ゲームを始める前にゲーム数など決めておくことをお勧めします。
カードの強さは:
A>K>>Q>J>10>9>8>7>6>5>4>3>2
です。
このゲームではが常に切り札になります。
またこのゲームでは、交互にリードプレイヤーを交代します。
じゃんけんなど適当な方法で最初のディーラーを決めます。
以降は1ゲームごとに交代します。
このゲームでは、最初のディーラーにならなかったプレイヤーを「ファーストプレイヤー」、最初のディラーを「セカンドプレイヤー」と呼びます。
ディラーはファーストプレイヤーに26枚セカンドプレイヤーに25枚配ります。

プレイ

ファーストプレイヤーが最初のリードプレイヤーになります。
切り札はです。
リードプレイヤーは手札から任意の1枚をプレイします。
セカンドプレイヤーは、ファーストプレイヤーが出したスートがあれば、必ずそのスートを出さなければなりません。
出されたスートが1枚もない場合に限り、切り札を含め何を出してもかまいません。
セカンドプレイヤーがプレイした後、ファーストプレイヤーはさらに手札から1枚プレイします。
この時出せるカードは、セカンドプレイヤーが出した状態でどちらが勝っているかで決まります。
セカンドプレイヤーが勝ってる場合
ファーストプレイヤーはセカンドプレイヤーが出したスートをフォローしなければなりません。ない場合は、切り札を含め何を出してもかまいません。
ファーストプレイヤーが勝ってる場合
ファーストプレイヤーはどのスートを出してもかまいません。場に出されているスートをフォローする必要はありません。
切り札をプレイしても問題ありません。

得点

得点は以下の通りです。
  • 1トリックにつき1点
  • トリックで取ったカードに2,3,4のいずれか1枚:2点
  • トリックで取ったカードに2,3,4のいずれか2枚:4点
  • トリックで取ったカードに2,3,4のいずれか3枚:8点
  • トリックで取ったカードに同じスートの2,3,4がある:16点
  • トリックで取ったカードに2,3,4の3枚があり、かつ3枚とも異なるスート:16点
上記の得点の複数該当する場合は、最も得点が高い点数のみを採用します。
例えばトリックで取ったカードに:
2、♣2、2があれば16点
2、3、4があれば16点
2、3、4の場合は8点
になります。

ゲームの終了

ゲームの終了については、特に決められていません。
ゲームを始める前にゲーム数など決めておくことをお勧めします。

初期で配られる手札運以外はほとんど運の要素はありません。
自分が持っていないカードは、相手が持っていることになります。
お互いの手札はほとんど公開情報になります。
手札がかなり多いため、どれを出すか迷いそうですが、出し方を間違えると一方的な展開になりそうです。
手札の多さと運の要素が低いゲームですので、初めてトリックテイキングゲームを遊ぶ方向けとは言えません。
ある程度トリックテイキングゲームになれた中級者以上向けのゲームだと思います。

参考サイト



2017年12月22日金曜日

ブロット(Belote)

メグレ警視はブロットがお好き

ブロットは1914年とトランプゲームにしては、比較的最近にフランスに普及された、トリックテイキングゲームです。
このゲームは4人ペア戦が基本ですが、2人または3人でも遊べるゲームです。
通常のトランプよりジョーカー、各スートの2~6を除いた32枚を使います。
このゲームは時計回りに進行します。
ゲームの目的:1000点以上先取


カード強さと得点

下記の表の通りです。








最後のトリックを取ると10点獲得します。

手役

配られた手札の中に次のような組み合わせがあれば、得点を獲得できます。
カレ
同じランクでかつ9以上のカード4枚(フォーカード)。
例えばAが4枚あれば「カレ」になります。
  • Jの4枚:200点
  • 9の4枚:150点
  • Aの4枚:100点
  • 10の4枚:100点
  • Kの4枚:100点
  • Qの4枚:100点
7の4枚、または8の4枚は「カレ」になりません。
シークエンス
同じスートの3枚以上の連続したカード。
例えば♠Q、♠J、♠10の3枚があれば「シークエンス」になります。
カードのランクの強さはA>K>Q>J>10>9>8>7になります。
6枚以上のシークエンスは、5枚扱いになります。
シークエンスの点数は以下の通りになります。
  • 3枚のシークエンス:20点
  • 4枚のシークエンス:50点
  • 5枚のシークエンス:100点
ブロット
手札に切り札のKとQがあれば20点獲得します。

手役の強さの判定

ブロット以外の手役は、最も強い手役を持っているチームしか得点を獲得できません。
手役の強さは以下の通りです。
  1. 「カレ」の方が「シークエンス」より強い
  2. 同じ「カレ」では点数の高い「カレ」が強い
  3. 同じ点数の「カレ」ではランクの高い方が強い。ランクの高さはA>K>Q>J>10>9>8>7
  4. 同じシークエンスでは枚数が多い方が強い。ただし6枚以上あっても5枚とみなします。
  5. 同じ枚数のシークエンスでは、お互いのシークエンスで最も高いランクを比較し、よりランクの高い方が強い。ランクの高さはA>K>Q>J>10>9>8>7
  6. 同じ枚数、同じランクの強さのシークエンスでは切り札の方が強い
  7. 同じ枚数、同じランクの強さのシークエンスで、切り札以外の時は、ディーラーの左隣から時計回りでより早い順で決める
上記の手役の強さで判定後、強い手役を持っているチームは他に手役を持っていれば、その手役も点数を獲得できます。
ブロットの点数は宣言すれば必ずもらえます。

ディール

トランプを1枚引いて。最も低いランクのカードを引いたプレイヤーが、最初のディーラーになります。
このときのランクの強さはA>K>Q>J>10>9>8>7になります。
最も高いランクを引いたプレイヤーは、座る位置を決めます。
ディラーは最も高いランクを引いたプレイヤーの右隣に座ります。
以降ディラーは時計回りに持ち回りで交代します。
ディラーはシャッフルした後、時計回りに各プレイヤーに3枚ずつ配り、次に2枚ずつ配ります。
その後、まだ配っていないカードのうち1枚を表向きにして場の中央に置きます。
このカードのスートが切り札後方になります。

ビッド

ディラーの左隣から時計回りにビッドを行います。
ビッドは切り札候補カードを切り札スートとして受け入れるか、またはパスをします。
誰かが切り札スートとして受け入れた瞬間に、ビッドは終了します。
最初の1巡で全員パスした場合は、もう1巡ビッドをします。
2週目のビッドでは、切り札候補のスート以外を切り札スートとして宣言するか、「またはパスをします。
2週目も全員パスした場合は、ディラーを交代しカードを配り直します。

残りのカードのディール

ビッド終了後ディラーは配り残しのカードを配ります。
配る枚数は、切り札を決めたプレイヤーには2枚、それ以外のプレイヤーには3枚配ります。
その後切り札を決めたプレイヤーは、場の中央に置かれた切り札候補のカードを手札に加えます。


手役の宣言

各プレイヤーは最初のプレイの時に、プレイ前に「ブロット」以外の手役があれば宣言できます。
宣言はシークエンスの時は、「シークエンス4枚」というように枚数を言って宣言します。
ディラーの左隣のプレイヤーが最初のリードプレイヤーになります。
カレの時は、「Jのカレ」というように、ランクを言って宣言します。
すでに自分より強い手役の宣言があった場合や、手役を宣言したくない場合は、何も言わなくてもかまいません
同じ枚数のシークエンスが先に宣言されており、自分も同じ枚数のシークエンスで宣言する場合は、ひとまず枚数だけを宣言します。
最初のプレイ終了後、時計回りに同じ枚数のシークエンスを宣言したプレイヤーは、自分が持っているシークエンスの中で一番強いランクを宣言できます。
宣言するかしないかは、この場合も自由です。
同じ強さのランクだった場合は、どちらかが切り札スートかを確認します。
どちらも切り札スートでない場合は、席順で優劣を決めます。
最も強い手役の宣言をしたプレイヤーと、そのパートナーは、手札に手役があれば全て宣言することができます。
ただし手役は全て公開しなくてはなりません。見せた後は手札に戻します。
最初のプレーで出したカードを手役として使う場合は、手札に戻さずに場に出したままにします。
ブロットの宣言
ブロットの宣言は少し特殊です。
切り札のK,Qを手札に持っており、プレイ時に切り札のKまたは切り札Qを出すときに「ブロット」と宣言します。
さらに残りの切り札のQまたは切り札Kを出すときに「ルブロット」と宣言しなければなりません。
この宣言のどちらかを忘れると得点は獲得できません。

プレイ

フォローのルールは以下に従います。
➢切り札がリードされた時
  1. 今までに場に出た切り札より強い切り札を持っている場合は、必ず出さなければなりません。強い切り札が複数ある場合、どれを出してもかまいません。
  2. 弱い切り札しかない場合、弱い切り札のうちいずれか1枚を出します。
  3. 切り札が1枚もない場合は、何を出してもかまいません。
➢切り札以外がリードされた時
  1. リードされたスートを持っている場合、リードされたスートを出さなければなりません。ただし強いカードを出す必要はありません。
  2. リードされたスートがない場合、パートナーが切り札以外で既に強いカードを出している時は、何をだしてもかまいません。
  3. リードされたスートがない場合、パートナーが切り札を出していて、切り札を出すときは、それより強い切り札があるときは、より強い切り札のうちいずれか1枚を出します。パートナーが出した切り札より弱い切り札しかない場合は、弱い切り札うちいずれか1枚を出します。切り札を出さない場合は、切り札以外なら何を出してもかまいません。
  4. リードされたスートがない場合、パートナーが弱いカードを出している場合、今出ている切り札より強い切り札があれば、より強い切り札のうちいずれか1枚を出します。弱い切り札しかない場合は、弱い切り札うちいずれか1枚を出します。切り札がなければ何を出してもかまいません。
切り札が出ている場合は、切り札のうち一番強いカードを出したプレイヤーがトリックを取ります。切り札が1枚も出ていなければ、リードで出されたスートの内、一番強いカードを出したプレイヤーがトリックを取ります。
トリックを取ったプレイヤーが次のリードプレイヤーになります。
最後のトリックを取ったプレイヤーのチームに10点が付きます。


得点

各チームは以下の得点を集計します。
  • トリックで取ったカードの合計点
  • 最後のトリックの点数(10点)
  • 宣言した手役の点数(カレまたはシークエンス、ブロット)
チームの合計点を出した後、切り札を決めたチームの合計点ともう一方のチームの合計点を比較します。
もしどちらかのチームが全トリックを取った場合は、自チームの合計点に252点を加算します。

ゲームの終了

どちらかのチームが1000点以上になったら、ゲーム終了です。
得点が高いチームの勝利です。

2人プレイ、3人プレイのバリエーション

1度目のディールは4人プレイと同様に5枚ずつ配ります。
2度目のディール(切り札が決まった後のディール)は、切り札を決めたプレイヤーを含めて、3枚ずつ配ります。
残ったカードは切り札候補のカードの脇に、裏向きのまま置いておきます。
切り札候補のカード、残ったカードはゲーム中使うことはありません。
3人プレイでは、切り札を決めたプレイヤーは最も高い得点を取る必要があります。
それ以外は4人プレイと同じです。

作家ジョルジュ・シムノンが書いた推理小説「メグレ警視」シリーズに、よく「ブロット」で遊ぶという、描写がよく見られます。
「メグレと宝石泥棒」、「メグレ氏ニュ-ヨークへ行く」、「メグレの途中下車」など。
作品によっては、メグレ警視自身がブロットを遊んでいることもあります。
作者もブロットが好きだったのではないでしょうか。


参考サイト
ゲームファーム
ウィキペディア
知っているようで知らないフランスのテーブルゲーム
雑記帳
PAGAT.COM
Britannica.com

2017年12月17日日曜日

ボーナケン(Boonaken)

オランダでは世界選手権も開かれているトリックテイキングゲームです。
ヤスの一種です。
このゲームは3~5人まで遊べます。5人がベストのゲームです。
このゲームは時計回りに進行します。

カードの強さと点数

以下の表の通りになります。








カードの合計点は141点です。

ディール

最初のディーラーはじゃんけんなど適当な方法で決めます。
以降は時計回りに持ち回りで交代します。
ディラーはシャッフルした後、時計回りに配ります。
配り方はプレイ人数によって異なります。
  • 5人:各プレイヤーに3枚ずつ裏向きのまま配った後、テーブル中央に2枚表向きにして配ります。その後各プレイヤーに3枚ずつ裏向きのまま配ります。
  • 2~4人:各プレイヤーに3枚ずつ裏向きのまま配った後、テーブル中央に2枚裏向きのまま配ります。その後各プレイヤーに3枚ずつ裏向きのまま配り、テーブルの中央に2枚表向きにして配ります。残ったカードはゲーム中使いません。裏向きのままテーブルの脇に置きます。

ロエム

手札に以下の組み合わせがあると得点になることがあります。
このゲームでは手役のことを「ロエム」といいます。
シークエンスは同じスートの3枚以上の連続したカードのことです。
例えば♠Q、♠J、♠10の3枚があれば「シークエンス」になります。
シークエンス同士の強さはA>K>Q>J>10>9>8>7の順になります。
同じカードを使ってシークエンスと4枚、または切り札KとQに使うことはできます。
例えば♠Q、♠J、♠10のシークエンス、♠Q、♣Q、Q、Qの4枚と♠Qを2回使うことはできます。
または切り札が♠であれば、♠Q、♠J、♠10のシークエンスと♠Kと♠Qも可能です。
勿論♠Q、♣Q、Q、Qと♠Kと♠Qも可能です。
ただし同じカードを使って2つ以上のシークエンスに組み合わせることはできません。
例えば♠Q、♠J、♠10のシークエンスと♠10、♠9、♠8のシークエンスというように
♠10を2回使って別々のシークエンスにすることはできません。

ビッド

ディラーの坂口左隣のプレイヤーから時計回りにビッドをします。
ビッドは「数字ビッド」、「ミゼール」、「ズワベル」、「ボーナーク」のいずれか1つを宣言するか、パスをします。
一度パスをすると再びビッドに参加することはできません。
1人除いて全員パスをしたら、残ったプレイヤーが「デクレアラー」になります。
「ミゼール」だけは例外的に複数プレイヤーが「デクレアラー」になることがあります。
1人もビッドせずに全員パスをしたら、カードを配り直します。
ビッドの詳細は以下の通りになります。
数字ビット
トリックで取ったカードの点数の合計と「ロエム」の点数を合計した点数以上を取るという宣言になります。
ビッドは5の倍数でビッドします。
ビッドの宣言に成功すると切り札を決めることができます。
ただしノートランプにすることはできません。
数字が大きいほど強いビッドになります。
ミゼール
1トリックも取らない宣言になります。切り札はありません。
ビッドの強さは数字に換算して、70と75の間になります。
すでに誰かがミゼールをビッドして、ミゼールより強いビッドがない場合は、「ミゼール」を宣言することができます。
2人以上「ミゼール」を宣言した場合は、以降「ミゼール」以外のビッドをすることはできなくなります。
「ミゼール」を宣言した全員がデクレアラーになります。
ズワベル
全トリックを取る宣言になります。
切り札はありません。
ビッドの強さは数字に換算して、100と105の間になります。
ボーナーク
全トリックを取る宣言になります。
ビッドの宣言に成功すると切り札を決めることができます。
ただしノートランプにすることはできません。
上記のビッド宣言の中で最も強い宣言になります。
ロエム付きのボーナークの宣言をするときは、「ボーナーク50」というように宣言します。
さらにボーナークのロエムの点数をつける宣言をすると、さらに強い宣言になります。
ロエムの点数をつけたボーナーク宣言同士では、ロエムの点数が高いボーナークの宣言が強くなります。

カードの交換

ビッドが終わった後、デクレアラーはテーブルの中央にある2枚(または4枚)のカードを手札に加えて、手札が6枚になるように、テーブルの中央にカードを裏向きにして捨てます。
捨てるカードは、テーブルの中央にあったカードを含め、どれを捨ててもかまいません。
捨てたカードはデクレアラーが取ったカードとはみなしません。
複数ミゼール宣言があった場合は、宣言をした順番にカードの交換を行います。

プレイ

デクレアラーが最初のリードプレイヤーになります。
切り札があるビッドの宣言をした場合は、デクレアラーが切り札を宣言をします。
デクレアラーが切り札を宣言せずに、最初のカードをプレイした場合は、そのカードのスートが切り札になります。
ロエムを宣言する場合は、デクレアラーが最初のプレイをする時に行います。
ロエムの宣言は手札にあるロエムの合計点のみを宣言します。
実際の合計点より高く宣言することはできません。
実際の合計点より低く宣言してしまった場合は、宣言した点数しか獲得できません。
デクレアラーがプレイした後は、以降時計回りに1枚ずつプレイします。

切り札がある宣言ではフォーローは以下の通りになります。
リードで出されたスートが切り札の時
  • 手札に切り札があれば、切り札を出します。複数ある場合は切り札のうちどれを出してもかまいません。
  • 手札に切り府がない場合は、どのカードを出してもかまいません。
  • 手札に切り札がJの1枚だけの場合は、切り札Jを出しても出さなくてもかまいません。
リードで出されたスートが切り札以外の時
  • リードされたスートを持っている場合は、そのスートを出すかまたは切り札を出します。
  • リードされたスートがない場合は、どれを出してもかまいません。
切り札がない宣言ではフォーローは以下の通りになります。
  • リードされたスートを持っている場合は、必ずそのスートを出します。
  • リードされたスートがない場合は、どれを出してもかまいません。
切り札が出された場合は、切り札の中で一番強いカードを出したプレイヤーがトリックをとります。
切り札がでなかった場合、リードで出されたスートのうち、一番強いカードを出したプレイヤーがトリックをとります。
トリックを取ったプレイヤーが次のリードプレイヤーになります。

宣言の成功または失敗

数字ビッドの場合は、取ったカードの得点の合計点とロエムの点数を足した点数が、宣言した数字以上ならば成功です。宣言より低い点数の場合は失敗になります。
ミゼールの場合は、1トリックも取らなければ成功、1トリックでも取ると失敗です。
ズワペル、ボーナークは、全トリック取れば成功、そうでない場合は失敗です。
ロエム付きボーナークの場合は、全トリック取った上に宣言したロエムの点数以上手役がないと失敗になります。
デクレアラーが成功した場合は、スコアシートのデクレアラーの欄に「+」(プラス)を記入します。
逆にデクレアラーが失敗した場合は、「ー」(マイナズ)を記入します。

ゲームの終了

プラスが2つになったプレイヤーがいた時点でプレイ終了になります。
本来はそのプレイヤーが勝ち抜け、敗者が確定するまでゲームを続けます。
だれかが勝ち抜けた時点で、そのプレイヤーの勝利でゲームの終了としてもよいと思います。
もしプラスが2つにならないうちに、マイナスが2つになったプレイヤーがいた場合は、そこでプレイ終了になります。
そのプレイヤーの敗北になります。勝者はいません。

ビッドを表にまとめました

オランダでは世界選手権が開催されているようです。
面白そうなゲームですので、機会があれば遊んでみようと思います。

参考サイト



2017年12月10日日曜日

サニー(Thunee)

ガンジーが愛した!?トリックテイキングゲーム

サニーは、南アフリカ共和国でインド系の人々がプレイされているトリックテイキングゲームです。
サニー専用のサイトもあるほど人気のあるゲームのようです。
4人用でペア戦が一般的なようですが、3対3の6人、2人でもできるようです。
2人プレイのサニーのルールは、改めて紹介したいと思います。
通常のトランプより、ジョーカー及び各スートの2~8を除いた24枚を使います。
このゲームは反時計回りに進行します。
ゲームの目的:12ポイント先取

カードの強さと得点

カードの強さと得点は下記表の通りになります。
一番左が強く、右に行くにつれ弱くなります。
カードの点数の合計は、304点になります。







最後のトリックに勝ったチームには10点が与えられます。


ディール

カードをシャッフルし、各プレイヤーに表向きに1枚ずつ配ります。
最初に黒いJ(♠Jまたは♣J)が配られたプレイヤーが最初のディラーになります。
ディラーはシャッフルした後、左隣のプレイヤーにカットしてもらいます。
その後、各プレイヤーに反時計回りに1枚ずつ、計4枚配ります。
各プレイヤーは、自分の手札の点数の合計が10点以下だった場合は、配り直しを要求することができます。
配り直しが発生した場合もディラーは変わりません。

切り札決め

ディラーの右隣のプレイヤーが切り札を決める権利を持っています。
これに対して、相手のチームのプレイヤーに対して、「10」と宣言して切り札を決める権利を奪うことができます。
この宣言をするかは自由です
さらに、相手チームのプレイヤーは「20」と宣言し、切り札を決める権利を奪い返すことができます。
以降各チームのプレイヤーは「10」ずつ上げて宣言することができます。
上げる数は「10」のみで、それ以外の数字で上げることはできません。
例外として「100」に対しての宣言は「104」になります。
「104」の宣言がされた場合、そこで宣言は終了となります。その場合、「104」の宣言した方のプレイヤーが切り札を決める権利を得ます。
通常、切り札を決める権利を得たチームは、相手チームの得点の合計が104点以下なら成功になります。
もし上記の宣言をした場合は、その宣言した分だけ相手チームの得点に加算します。
例えば、「40」と宣言した場合は、相手チームの得点に40点を加えます。
切り札を決めたプレイヤーは、手札から切り札のカードのうち、いずれか1枚を裏向きに場に出します。
切り札を決めたチーム以外を「計算チーム」と呼びます。

追加ディール

切り札決めが終わった後、ディラーは各プレイヤーに1枚ずつ計2枚のカードを配ります。
最終的に各プレイヤーの手札6枚になります。

プレイ

切り札を決めた右隣のプレイヤーが最初のリードプレイヤーになります。
最初のプレイヤーがカードを出した直後に、切り札を決めたプレイヤーは場に出したカードを表向きにして全員に公開します。
公開した後、切り札を決めたプレイヤーは手札に戻します。
ゲームはマストフォローのトリックテイキングゲームになります。
リードプレイヤーは手札から任意の1枚表向きに場に出します。
以降時計回りに1枚ずつプレイします。
リードで出されたスートがある場合は、必ずそのスートを出します。
ない場合に限り、何を出してもかまいません。
切り札が出された場合は、切り札の中で一番強いカードを出したプレイヤーがトリックをとります。
切り札がでなかった場合、リードで出されたスートのうち、一番強いカードを出したプレイヤーがトリックをとります。
トリックを取ったプレイヤーが次のリードプレイヤーになります。

ジョディ
最初のトリックまたは、第3トリックで自分のチームが勝った時のみ宣言できます
宣言はそのトリックの直後に行います。
勝ったプレイヤー以外にパートナーが宣言してもかまいません。
手札に以下の表のカードがあった時、得点を獲得できます。
宣言は以下の表のうちいくつ宣言しても問題ありません。
ただし1度宣言に使ったカードを再び使うことはできまん。
例えば切り札スートがとして、K,Q,J,♣K,♣Qと持っていた場合は、
50+20=70点になります。
この宣言の点数は相手チームの得点も減らします。
例えばA,CチームとB,Dチームがプレイし、最初のトリックでAが勝ち、Cが切り札のK,Q,Jを宣言したとします。
その場合、A,Cチームが50点獲得し、B,Dチームが-50点になります。
サニー
どのプレイヤーも最初のプレイをする前に、1人で全トリック取るという宣言をすることができます。
この宣言をしたプレイヤーは、切り札を決めることができます
またサニーを宣言したプレイヤーが最初のリードを行います。
サニーの宣言がされると、ジュディ、後述するダブル、カナックの宣言はできなくなります。
サニーを宣言したプレイヤー以外が1トリックでも取った時点で失敗になり、プレイを終了します。
ダブル
最初の5トリックに勝ったチームは、最後のトリックをリードする前に、ダブルを宣言できます。
ダブルを宣言できるのはリードプレイヤーのみです。
最後のトリックを取れば、追加点を獲得できますが、失敗すると相手チームに追加点がつきます。
カナック
カナックは最後のトリックで自分のプレイを行う直前に宣言しなければなりません。
相手チームの得点が0点未満になるという宣言です。
相手チームの得点からまずジュディ、最後のトリックの得点(10点)を差し引きます。
その後、切り札決めで宣言した点数を補正します。
計算チーム加点、切り札を決めたチームは減点します。
上記に加え、以下の条件が成立して成功になります。
  • カナックを宣言したプレイヤーが最後のトリックをとること
  • 相手チームが1トリック以上取っていること
上記のいずれかが成立していなければ、失敗になります。

無効プレイ
プレイ中またはプレイ後に計算チームが切り札を1枚も持っていなければ、無効プレイとなり、得点は発生しません。
再度プレイをやり直します。

得点

宣言の成否により下記表のポイントが付きます。


次回のディラー

ディラーのチーム合計ポイントが相手チーム以上の時は、ディラーの右隣のプレイヤーに交代します。
それ以外はディラーの交代はしません。

ゲームの終了

いずれかのチームの合計点が12ポイント以上に達していれば、ゲーム終了です。
ポイントの合計点が多いチームの勝利となります。

6人プレー

6人で遊ぶ場合は、3人1組に分かれてプレーします。
6人プレーでは最初のディールで3枚ずつ配ります。
その後4人プレイヤー時と同様に切り札決め、それを奪う権利の宣言をします。
その後、1枚ずつ配ります。各プレイヤーの手札は4枚です。
6人プレーでは以下の2つの特別な宣言があります。
トリップ(Trip)
最初ゲームで3枚ずつ配り手札を見た後に、ディラーは「トリップ」を宣言することができます。
この宣言を行うと、切り札はなしでプレーします。
「トリップ」を宣言したプレイヤーが最初のリードプレイヤーになります。
また最初の3トリックは各スートの強さの順が変わります。
Jより9,A,10が強くなり、9,A,10は同じ強さになります。
最後のトリックだけ通常の強さに戻ります。
最後のトリックを「トリップ」宣言したプレイヤーが勝てば成功、負ければ失敗になります。
成功すると3ポイント獲得します。
失敗すると相手チームに6ポイント入ります。
モーニー(Trip)
4枚目のカードが配られたあと、4枚とも同じスートでかつJが1枚ある場合、「モーニー」を宣言することができます。
この宣言をすると最初のリードプレイヤーになります。
ただし全トリック勝たなくてはなりません。
それ以外のプレイヤーが1トリックでも取ったら失敗になります。その時点でプレーを終了します。
成功すると4ポイント獲得します。
もし宣言したパートナーが勝った場合は、相手のチームが4ポイント獲得します。
相手チームが勝った場合は、相手のチームが8ポイント獲得します。
切り札については、言及されておりませんが、おそらく「モーニー」を宣言したプレイヤーが決めて良いと思います。


4人で遊びましたが、非常に面白かったです。
ずっとディーラーをし続けることになることもあります。
カード運もありますが、かなり考えさせるところもあります。
サニーには上記以外にもバリアントがあるようです。
またAndoroidでゲームがあるようです。
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.nnr.thunee

Thunee Leagueによると、ガンジーがインドへサニーを布教したのではないか、と書かれています。
本当かはわかりませんが。

参考サイト


2017年12月6日水曜日

ボティファーラ(Botifarra)

ボティファーラは、スペインの北部カタルーニャで遊ばれているトリックテイキングゲームです。
4人のペア戦になります。
通常のトランプよりジョーカー、各スートの10を除いた48枚を使います。
このゲームは反時計回りに進行します。
ゲームの目的:101点先取
カードの強さ:9>A>K>Q>J>8>7>6>5>4>3>2

カードの得点

カードの得点は下記表の通りです。











また1トリックにつき1点つきます。
全部の点数は72点になります。

ディール

じゃんけんなど適当な方法で最初のディラーを決めます。
ディラーはシャッフルした後、各プレイヤーに4枚ずつ配ります。
各プレイヤーの手札は12枚になります。
以降ディラーは反時計回りに持ち回りで交代します。

切り札決め

自分の手札を見た後、ディラーは切り札を決めることができます。ノートランプ(切り札なし)にしすることもできます。
または切り札を決めずにパスをすることができます。
ディラーがパスをした場合は、ディラーのパートナーが必ず切り札を決めます。

コントラール、レコントラール、サント・ヴィセンス

切り札が決まった後、以下の手順で得点を倍以上にすることができます。
2倍にする宣言「コントラール」の後、「レコントラール」、さらにその後「サント・ヴィセンス」の宣言をすることができます。
得点を8倍より大きくすることはできません。
  1. 切り札が決まった後、切り札の右隣のプレイヤーは、得点を2倍にする「コントラール」宣言するか、またはパスをします。パスした場合はパートナーがこの宣言をするかどうかを決めます。
  2. コントラールの宣言があった後、コントラールの宣言をした右隣のプレイヤーが、得点を4倍にする「レコントラール」宣言するか、またはパスをします。パスした場合はパートナーがこの宣言をするかどうかを決めます。
  3. レコントラールの宣言があった後、レコントラールの宣言をした右隣のプレイヤーが、得点を8倍にする「サント・ヴィセンス」宣言するか、またはパスをします。パスした場合はパートナーがこの宣言をするかどうかを決めます。

プレイ

ディラーの右隣のプレイヤーが最初のリードプレイヤーになります。
ゲームはマストフォローのトリックテイキングゲームになります。
リードプレイヤーは手札から任意の1枚表向きに場に出します。
以降時計回りに1枚ずつプレイします。
プレイのルールは以下の通りになります。
1.リードで出されたスートがある場合は、必ずそのスートを出します。
2.自分のパートナーがまだプレイしていない場合、またはパートナーが勝てるカードを
出していない場合、1のルールを守ったうえで、下記のいずれかのルールに従います。
  • 可能ならばトリックに勝つようなカードを出さなければなりません。つまりフォローできない場合は。切り札をプレイします。
  • 自分の手札にトリックに勝てるカードがない場合、プレイするスートの中で最も弱いカードを出さなくてはなりません。
  • ただし自分のプレイする順番が2番目の場合は、パートナーが勝つことを期待して点数のあるカードをプレイしてもかまいません
3.自分のパートナーがすでに勝てるカードをプレイしている場合は、
次のいずれかを選択します。
  • パートナーより強いカードをプレイする。
  • プレイするスートの中で最も弱いカードをプレイする。
  • 点数のあるカードをプレイする。
トリックを取ったプレイヤーが次のリードプレイヤーになります。
トリックで取ったカードは、裏向きにして自分の脇に置きます。
直前でプレイしたカード以外は、取ったカードを見ることはできません。

得点

全得点の半分の36点以上を取ったチームは、取った得点から36点を引いた点数が得点になります。
例えば50点取った場合は、50-36=14点になります。
切り札なしの場合は、取った得点が2倍になります
コントラール、レコントラール、サント・ヴィセンスがあった場合は、その分だけ倍にします。
36点以下のチームには得点はありません。

ゲームの終了

ディールが終わって合計点が101点以上になったチームがいた場合、ゲーム終了となります。
得点の多いチームの勝利となります。
パートナーを代えて3ゲーム行うこともあるそうです。

フォローのルールが少し複雑ですが、ルール自体はシンプルで面白そうです。
スペインでは選手権もあるようです。

参考サイト

ゲームファーム
CIS Ángel Olaran - ONGD per Wukro, Etiòpia - isolidaries.org

2017年12月3日日曜日

ジャーマンホイスト(German Whist)

ジャーマンホイストは2人用のトリックテイキングゲームです。
ルールに関しては、「練馬おやこボードゲームの会」で丁寧に説明されていますので、私のブログはさっくり説明するとともに、戦略などにも触れてみたいと思います。

ルール

このゲームは前半戦と後半戦に分かれます。
山札があるうちは前半戦で、後半戦に向けて手札を整えていきます。
このゲームの目的は、後半戦に相手より多くトリック数を取ることが目的のゲームです。
このゲームでは通常のトランプよりジョーカーを除いた52枚を使います。
じゃんけんなど適当な方法で最初のディラーを決めます。
以降はディラーを代わり番こに行います。
ディラーは互いの手札が13枚になるよう配った後、残ったカードは山札として、裏向きのままテーブルの中央におきます。
その後ディラーは山札の一番上のカードだけ表向きにします。
表向きになったカードのスートが切り札になります。
切り札は1ディール(ゲーム)終わるまで変わることはありません。
カードを配らなかったプレイヤーが最初のリードプレイヤーになります。
ゲームはマストフォローのトリックテイキングゲームになります。
リードプレイヤーは手札から任意の1枚表向きに場に出します。
もう一方のプレイヤーは、リードで出されたスートがある場合は、必ずそのスートを出します。
ない場合に限り、何を出してもかまいません。
切り札が出された場合は、切り札の中で一番強いカードを出したプレイヤーがトリックをとります。
山札があるうちは得点がつきません。取ったカードは裏向きにして脇に置きます。
切り札がでなかった場合、リードで出されたスートのうち、一番強いカードを出したプレイヤーがトリックをとります。
トリックを取ったプレイヤーは、山札から表向きになったカードを取り手札に加えます。
その後負けたプレイヤーは、山札の一番上のカードを裏向きのまま取り、手札に加えます。
お互い山札から1枚ずつ取った後に、山札の一番上のカードを表向きにします。
トリックを取ったプレイヤーが次のリードプレイヤーになります。
山札がなくなるまで手札の補充を行います。
直前にトリックを取ったプレイヤーがリードプレイヤーになります。
同じようにトリックテイキングを行いますが、取ったトリック数がわかるように取ったカードを裏向きに置いていきます。
1トリック取るごとに1点得点がつきます。
お互いの手札がなくなったら、1ゲーム終了です。
1ゲーム終了後、より多く得点を取ったプレイヤーの勝ちになります。


ジャーマンホイストの戦略

このゲームでは山札があるうちは、後半に勝てるようできだけ手札を整えていくのがポイントです。
要らないカードが表向きになっているときは、わざと負けることも必要になります。
また相手が表向きのカードを手札に入れた時は、できるだけ覚えておくと良いでしょう。
前半戦で切り札が使われたときはカウンティングすると、より勝利につながるかもしれません。


ジャーマンホイストのバリエーションゲーム

得点のバリエーション
前半も得点になります。つまり前半、後半含めて1トリック1点になります。
またMeggieSoft Gamesのジャーマンホイストでは50点先取で勝利となっています。
実際に得点制でプレイする際は、30点ぐらいが良いと思います。

初期手札のバリエーション
最初に手札に配る枚数を11枚にします。その後裏向きのまま4枚ずつくばります。
この4枚はトリックに勝たないかぎり見ることはできません。
またフォローできないとき、裏向きの4枚から出すこともできます(勿論手札からプレイしてもかまいません)


ジャーマンホイストは、2人用のトリックテイキングで、シンプルなゲームですが、
後半に勝つためには作戦も必要になります。
合間でも気軽に楽しめるゲームです。
是非ゲーム会で2人で浮いていたら遊んでみてください。

参考サイト・参考文献

Gambiter
・「The Everything Card Games Book: A complete guide to over 50 games to please any crowd」Nikki Katz

2017年9月26日火曜日

シーバラムシュ(SCHIEBERAMSCH)


 シーバラムシュはスカートの非公式なバリエーションだそうです。このゲームは3人用のトランプを使ったトリックテイキングゲームです。
予めプレイするディール数を決めておくことをお勧めします。
ゲームの目的:できるだけ得点を取らないこと
基本的にこのゲームでは取った得点に応じて失点になります。
このゲームではマイナス点が大きい方がよりよい点数になります。
使うトランプは、通常のトランプよりジョーカー、及び各スートの2~6を抜いた32枚です。
このゲームではJは常に切り札スート扱いになります。
Jは別のスート(第5のスート)として扱います。
切り札の強さは♣J>♠J>J>J
です。
それ以外のカードの強さは:A>10>K>Q>9>8>7
になります。
カードの得点は下記表の通りです。
カードの得点は合計で120点です。
このゲームは時計回りに進行します。


ディール

最初のディーラーをジャンケンなどの適当な方法で決めます。
以降「グランドハンド」宣言がなかった場合は、時計回りに持ち回りで交代します。
各プレイヤーに3枚ずつ裏向きのまま配った後、2枚場の中央に置きます。
この中央の2枚を「スカート」と呼びます。
その後4枚ずつ、最後に3枚ずつ配ります。
各プレイヤーの手札は10枚になります。

グランドハンド宣言とスカート

「グランドハンド」は1対2で戦うゲームモードになります。
詳細については後述します。
ディラーの左隣のプレイヤーから時計回りに、「グランドハンド」宣言を行うか、パスをします。
いずれか1人が「グランドハンド」宣言をしたら、宣言終了となります。
そして「グランドハンド」ゲームを行います。
「グランドハンド」宣言がされた場合、「スカート」との交換は行えません。
また「グランドハンド」宣言がされた場合、ディラーの交代は行いません。
スカート

全員パスした場合は、「シーバラムシュ」ゲームを行います。
「シーバラムシュ」ゲームになった場合、ディーラーの左隣のプレイヤーから時計回りに、「スカート」との交換を行います。
交換を行うか、交換を行わず今の手札のままとするかは自由です。
「スカート」の2枚を手札に加えた後、手札から2枚場に裏向きに置きます。
これが新たな「スカート」になります。
以降プレイヤーが交換をする場合は、新たな「スカート」との交換になります。
交換するかしないかは自由です。
スカートとの交換が行われなかった場合、交換しなかった人数に応じて点数に倍数を掛けます。
  • 1人だけ交換しなかった場合:2倍
  • 2人交換しなかった場合:4倍
  • 全員交換しなかった場合:8倍

プレイ

ディーラーの左隣のプレイヤーが最初のリードプレイヤーになります。
ゲームはマストフォローのトリックテイキングゲームになります。
リードプレイヤーは手札から任意の1枚表向きに場に出します。
以降時計回りに1枚ずつプレイします。
リードで出されたスートがある場合は、必ずそのスートを出します。
Jは別スート扱いになります。
例えばリードで♠が出され、手札に♠10、♠Jがある場合、♠10を出すしかありません。
ない場合に限り、何を出してもかまいません。
リードでJが出された場合は、Jがある場合は、必ずJをだします。Jの中で一番強いカードを出したプレイヤーがトリックをとります。
Jがでなかった場合、リードで出されたスートのうち、一番強いカードを出したプレイヤーがトリックをとります。
以降同様にプレイを行います。
全員の手札がなくなったら1ディール終了です。
スカートは最後のトリックを取ったプレイヤーのものになります。

得点

取った得点は失点になります。最終的な得点は下記の通りになります。

  • 3人とも1トリック以上取った場合:最も得点の高いプレイヤーのみが失点になります。取った得点そのままがプラスの点数になります。
  • 3人中2人が1トリック以上取った場合:その2人のうち得点の高いプレイヤーのみが失点になります。取った得点の2倍がプラスの点数になります。
  • 1人が全トリックを取った場合:そのプレイヤーのみが-120点になります。
このゲームではマイナス点が良い点数になります。
もし2人とも同点だった場合、2人とも上記に沿った失点になります。
ルール上明記されておりませんが、3人とも同点だった場合は得失点は発生しないものと考えられます。
スカートでパスがあった場合、パスした人数の倍数も点数に掛けます。
その倍数を掛けた後10で割った数が最終的な点数になります。小数点以下は切り捨てます。
例1)スカートで2人がパスをしました。Aが0点、Bが7点、Cが113点でした。
Cが最高得点のため、Cのみが得点になります。
Cの得点は113X2X4=904点です。これを10で割り最終的な点数は90点になります。
例2)スカートで2人がパスをしました。Aが全トリックを取りました。
Aの得点は-120X4=-480点です。これを10で割り最終的な点数は-48点になります。
得点のリファレンス


グランド・ハンド

「グランド・ハンド」宣言された場合、「グランド・ハンド」宣言を行わなかった2人はチームを組みます。一方宣言をしたプレイヤーは単独で戦います。
「グランドハンド」宣言がされた場合、「スカート」との交換は行えません。
「グランド・ハンド」宣言したプレイヤーを、「ソロイスト」と呼びます。
「ソロイスト」は61点以上取ることが目的になります。
一方それ以外の2人は協力してそれを阻止することが目的になります。
プレイは「シーバラムシュ」ゲームと同様に行います。
最初のトリック開始前に、「グランド・ハンド」宣言を行わなかったプレイヤーは、「コントラ」宣言をすることができます。
「コントラ」宣言は点数を倍にする宣言になります。
「コントラ」宣言された後、「ソロイスト」は「リコントラ」宣言し点数を4倍にすることもできます。
スカートは常に「グランド・ハンド」宣言したプレイヤーのものになります。
「グランド・ハンド」宣言したプレイヤーは61点以上で成功です。
60点以下は失敗になります。

得点

「ソロイスト」の成功・失敗にかかわらず、得点計算をします。
まず基本点24点がつきます。
その基本点に対し、下記の該当項目の数の合計で掛けます。
  • マタドール1つにたいして:1(ウイズまたはアゲインスト)
  • ゲーム:2(必ずつきます)
  • シュナイダー:1(90点以上)
  • シュワルツ:1(全トリック取った場合)
マタドール
マタドールはスカートと手札を含めて判定します。
♣Jを起点にして、切り札スートが連続して何枚あるか、もしくは何枚連続で欠けているかを数えます。
♣Jがある場合は「ウイズ」、♣Jがない場合は「アゲインスト」で判定します。
途中で連続が切れた場合は、切れる直前の数になります。それ以降連続していたとしても数えません。
ウイズ、アゲインストの連続した数がマタドールの値になります。








(例)
♣Jのみ:ウイズ1
♠Jのみ:アゲインスト1
Jのみ:アゲインスト2(♣J,♠Jと2枚連続で欠けている)
♣J,♠Jの2枚:ウイズ2
♣J,♠J,Jの3枚:ウイズ2(Jがないため、ウイズ2になる)
♠J,J,Jの3枚:アゲインスト1(♣Jがないため、アゲインスト1になる)
例えばJのみであれば、マタドールは2になります。

最終的な点数は1~3の順で計算します。小数点以下は切り捨てます。

  1. 24 X(マタドールの値+ゲーム(2点)+シュナイダー+シュワルツ)
  2. 1の合計にコントラがあった場合は2倍、リコントラがあった場合は4倍
  3. 2の結果を10で割る
「ソロイスト」が成功すれば最終的な点数がマイナズ点になります(良い点数です)。
逆に失敗すればプラスの点数になります。



ゲーム終了とバリエーション

ゲーム終了については明記されておりません。
プレイ開始前に予めディール数を決めておくことをお勧めします。
バリエーションとして、「シーバラムシュ」でコントラ、リコントラ宣言ができるルールもあるようです。

失点制のゲームで、好き嫌いは分かれるかもしれません。
若干複雑なところもありますので、トリックテイキングゲームに慣れた人向けのゲームに思えます。
とはいえ結構面白そうなゲームですので、一度試してみたいです。
PAGAT.COM

2017年9月19日火曜日

イタリアン・ホイスト(Italian Whist)

イタリアン・ホイストは3人限定のトランプを使ったトリックテイキングゲームです。
A. Chart, S. Drew 及び T. Phippの3人が創作しました。
前述の通り3人用です。
使うトランプは、通常のトランプに2枚のジョーカーを加えた54枚です。
ジョーカー2枚の区別がつきやすいトランプを使うことをお勧めします。
ここでは便宜上「赤ジョーカー」と「黒ジョーカー」と表現しますが、見分けがつくのであれば何色でもかまいません。
カードの強さ:A>K>Q>J>10・・・2の順です。
切り札、ジョーカーについては後述します。
このゲームは時計回りに進行します。
ゲーム開始前に予めプレイするディール数、または目標点数(失点でもかまいません)を決めておくことをお勧めします。

ディール

最初のディーラーをジャンケンなどの適当な方法で決めます。以降時計回りに持ち回りで交代します。
各プレイヤーに手札が18枚になるよう配ります。
プレイ開始前に手札を見た後、9枚を裏向きに場に置きます。裏向きに場に置いた9枚を「第2の手札」と呼びます。
残りの9枚は最初の手札になります。
「第2の手札」はディールによって渡す相手が異なります。
理由は後述しますが「第2の手札」はできるだけトリックをとらないように調整します。

各ディールの切り札・手札の渡し方

切り札、「第2の手札」の渡し方は下記表の通りです。










プレイ

プレイ開始前に「第2の手札」を相手に渡します。「第2の手札」は、最初の9枚がなくなるまでは見ることはできません。
「第2の手札」を相手に渡す場合は、裏向きのまま全て渡します。
「第2の手札」は自分の脇に置きます。
ディーラーの左隣のプレイヤーが最初のリードプレイヤーになります。
ゲームはマストフォローのトリックテイキングゲームになります。
リードプレイヤーは手札から任意の1枚表向きに場に出します。
以降時計回りに1枚ずつプレイします。
リードで出されたスートがある場合は、必ずそのスートを出します。
ない場合に限り、何を出してもかまいません。
切り札が出された場合は、切り札の中で一番強いカードを出したプレイヤーがトリックをとります。
切り札がでなかった場合、リードで出されたスートのうち、一番強いカードを出したプレイヤーがトリックをとります。
プレイしたカードはトリック数がわかるように置きます。
ジョーカー
「赤ジョーカー」は、またはとしてみなします。
「黒ジョーカー」は、♠または♣としてみなします。
ジョーカーはリードまたはフォローでの出し方は下記の通りです。
・フォローで出す場合
  1. リードで出されたスートと同じ色のジョーカーを出さなければなりません。フォローで出した場合は、ジョーカーはリード出だされたスートになります(勿論ジョーカーを出さずにリードされたをスートを出してもかまいません)。
  2. リードで出されたスートと同じ色のジョーカーがなく、そのスートもない場合に限り、別の色のジョーカーを出してもかまいません。勿論別の色のジョーカーを出さずに別のスートを出すこともできます。
  3. 別の色のジョーカーを出した後に、その色のスートが出なかった場合は、スートを指定することができます。例えばがリード出だされ、黒ジョーカーを出し、その後が出された場合、黒ジョーカーを出したプレイヤーがジョーカーのスートを、♣か♠にするかを決めます。
  4. 別の色のジョーカーを出した後に、同じ色のスートが出された場合、黒ジョーカーはそのスートになります。
  5. ジョーカーのランクは、全員がプレイした後に指定します。そのトリックにおいて、リードスートで出されたランク以外を指定することができます。例えば♣J、黒ジョーカー、♣3の場合、黒ジョーカーはJ、3以外を指定します。
・リードで出す場合

  1. ジョーカーがリードで出された場合は、同じ色のスートがあれば必ず出さなければなりません。リードの次のプレイヤーは、同じ色のスートが2つある場合は、どちらか1つのスートを選んで出します。3番目のプレイヤーは、2番目に出されたスートをフォローしなければなりません。
  2. リードで出した場合は、直後に出された同じ色のスートになります。例えば赤ジョーカーをリードで出し、の順で出された場合、赤ジョーカーはになります。
  3. ジョーカーをリードで出し、同じ色のスートが1枚も出なかった場合、リードプレイヤーが全員プレイした後にジョーカーのスートを指定します。
  4. ジョーカーのランクはトリック終了後に指定します。そのトリックにおいて、直後に出されたスートのランク以外を指定することができます。例えば赤ジョーカー、A、10の場合、赤ジョーカーはA、10以外を指定します。
  5. 同じ色のスートが1枚も出なかった場合は、リードでジョーカーを出したプレイヤーが、全員プレイした後に好きなスートとランクを指定できます。

全員の手札がなくなったら、自分の脇に置かれている「第2の手札」を自分の手札にします。
「第2の手札」を手札にした後は、ディーラーの右隣のプレイヤーが最初のリードプレイヤーになります。
以降同様にプレイを行います。
全員の手札がなくなったら1ディール終了です。

得点

最初の手札のトリック数-第2の手札のトリック数の差が得点になります。
例えば最初の手札のトリック数が5で、第2の手札のトリック数が3の場合は2点、最初の手札のトリック数が2で、第2の手札のトリック数が6の場合は-4点になります。

ゲーム終了

ゲーム開始前に予めプレイするディール数、または目標点数(失点でもかまいません)に達したらゲーム終了です。

手札を交換するゲームはいくつかありますが、2ステージに分けて後半で交換するトリックテイキングゲームは珍しいです。
この交換がかなり効いているゲームだと思います。

PAGAT.COM

2017年9月12日火曜日

ヨット(Yacht)

Yachtは、Drew Brokkeが寄稿したトランプを使ったトリックテイキングゲームになります。
3~5人用のゲームです。4人プレイがベストです。
通常のトランプよりジョーカーを除いた52枚を使います。
カードの強さ:A>K>Q>J>10・・・2の順です。
切り札については後述します。
メモ用紙と筆記用具を用意することをお勧めいたします。
ゲームの目的:ゲーム開始時に設定した開始の点数を目標点数にできるだけ近づけていきます。
最終的には500点以上(長く遊ぶ場合は1000点以上)を目指します。
このゲームは時計回りに進行します。

切り札の決定

全てのカードをシャッフルし、真ん中あたりのカードを1枚表向きにします。
このカードのスートが切り札になります。

ディール

最初のディーラーをジャンケンなどの適当な方法で決めます。以降時計回りに持ち回りで交代します。
各プレイヤーに1枚ずつ、手札が均等になるよう配ります。
3人の場合は17枚、4人の場合は13枚、5人の場合は10枚配ります。
残ったカードはゲーム中使うことはありませんので、裏向きのまま場の脇に置きます。

ビッド

各プレイヤーはメモ用紙に初期点数と目標点数を書きます。
初期点数、目標点数に書ける点数は0~手札の枚数(3人:17、4人:13、5人10)です。
初期点数、目標点数を書く代わりに、高得点を狙える「L.T.U」と「T.U」の特殊なビッドを書くことができます。
「L.T.U」と「T.U」は1トリックも取らないことが目標になります。
「L.T.U」は「T.U」より高得点が狙えます。ただし。失敗したときも失点が大きくなります。
「L.T.U」と「T.U」はリスキーな目標になりますので、注意してください。
開始時の点数は1トリックを取る毎に1点加算されます。逆にトリックを取らなかった場合は、1点下がります。
「L.T.U」と「T.U」を書いた場合は、トリックを取った瞬間に失敗になります。そのためトリックによる点数の加減は記録しません。

プレイ

♣が切り札の場合は、2を持っているプレイヤーが最初のリードプレイヤーになります。
切り札が♣以外の場合は、♣2を持っているプレイヤーが最初のリードプレイヤーになります。
もし♣2(または2)を持っているプレイヤーがいない場合は、ディラーの左隣のプレイヤーが最初のリードプレイヤーになります。
各プレイヤーに1枚ずつ、手札が均等になるよう配ります。
3人の場合は17枚、4人の場合は13枚、5人の場合は10枚配ります。
残ったカードはゲーム中使うことはありませんので、裏向きのまま場の脇に置きます。
ゲームはマストフォローのトリックテイキングゲームになります。
リードプレイヤーは手札から1枚表向きに場に出します。
切り札がまだプレイされていなければ、リードで切り札を出すことはできません。
手札に切り札しかない場合は、リードで切り札をだします。
以降時計回りに1枚ずつプレイします。
リードで出されたスートがある場合は、必ずそのスートを出します。
ない場合に限り、何を出してもかまいません。
トリック中に切り札が出た場合、以降リードで切り札を出すことができます。
切り札が出された場合は、切り札の中で一番強いカードを出したプレイヤーがトリックをとります。
切り札がでなかった場合、リードで出されたスートのうち、一番強いカードを出したプレイヤーがトリックをとります。
プレイしたカードはトリック数がわかるように置きます。
全員の手札がなくなったら1ディール終了です。

得点

得点は下の表の通りです。
「L.T.U」と「T.U」以外は差がどんなに大きても失点になることはありません。

ゲーム終了

ディール終了後、合計得点が500点以上に達しているプレイヤーがいればゲーム終了です。
もしくはあらかじめディール数を決めてプレイしても良いと思います。
最も合計点の高いプレイヤーの勝利です。
同点の場合は引き分けになります。
原文で3つアドバイスが記載されています。

  1. プレイ人数によって手札が変わります(3人:17枚、4人:13枚、5人10枚)。それに応じてビッドの宣言します。
  2. トリックを取るより、取らない方が遙かに楽です。従って目標点数より開始点数を低く書くのは通常悪手になります。ただし切り札や強いカードがたくさんある場合は例外です。
  3. 切り札をプレイできるよう、できるだけ切り札でないスートの1つをなくしましょう。

ビッドに関する補足

このゲームはビッドが煩雑です。
ビッドの時に目標のトリック数または「L.T.U」と「T.U」と書くだけでも問題ないと思います。
点数は
「実際に取ったトリック数」-「目標トリック数」
の差で求めます。
変則ホイストのように感じました。
トリック数を当てるだけでなく、トリックをとらない数まで意識するのはなかなか慣れないとうまくいかないような気がしました。
ちょっと得点が大味な気がしますが、一度プレイしたいと思います。

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2017年9月5日火曜日

ハンド・ヤス(Hand Jass)

ハンド・ヤスは、スイス・ヤスのゲームの中では一番基本的なゲームと考えられています。
このゲームは3,4人向けですが2人でも遊べます。
後述しますがこのゲームは敗者確定のゲームになります。
通常のトランプよりジョーカー、各スートの2~5を除きます。全部で36枚使います。
このゲームは反時計回りに進行します。
まず4人プレイ時の説明をします。2人プレイ、3人プレイ時については後述します。
カードの強さならびに得点は切り札になった時と、そうでない時で強さが異なります。












またラストトリックを取ると5点がつきます。
点数の合計は157点です。


Weis

手札の中に手役がある場合は、得点にすることができます。
手役は同じスートで連続した数字の3枚以上(シークエンス)か、4枚の同じランク(フォーカード)のどちらかです。この手役のことを”Weis”といいます。
手役は以下の条件を満たしている必要があります。

  • シークエンスは「切り札以外」の並び順であること。
  • フォーカードの場合は、A,K,Q,J,10のいずれかであること。例えば9のフォーカード、8のフォーカードは手役になりません。手役の強さは下記の表の通りです。


最上段が最も強い手役で、下の段にいくほど弱い手役になります。
つまりJのフォーカードが最も強く、3枚のシークエンスが最も弱い手役になります。
手札に複数の手役がある場合は、その組み合わせに応じて点数にすることができます。
ただし1枚のカードを複数の手役に使うことはできません。
例えば、Aが4枚あり、K,Qがあった場合はAのフォーカードは得点にできます。
ただしAをもう一度使って、A,K,Qの3枚のシークエンスは得点にすることはできません。
手役の宣言は手札の中で一番得点が高い手役のみを宣言します。
もし複数プレイヤーが手役を宣言した場合は、最も強い手役を宣言したプレイヤーのみ得点にすることができます。
手役の強さは以下に従って判定します。
  • 最も強い手役が勝ちます。
  • 最も強い手役が複数ある場合は、手役の枚数の多い方が勝ちます。
  • 枚数も同じ場合は、「切り札以外」のカードの強さでより強いランクのカードの方が勝ちます。
  • 枚数、ランクも同じ強さの場合は、切り札スートの方が勝ちます。
  • 枚数、ランクも同じで、かつどちらも切り札スートでない場合は、ディーラーの右隣に近いプレイヤーが勝ちます。
また手役とは別に切り札スートのKとQが手札にある場合は、20点獲得できます。
切り札のKとQを「ストック(Stöck)」と呼びます。

ディール

最初のディーラーをジャンケンなどの適当な方法で決めます。以降反時計回りに持ち回りで交代します。
各プレイヤーに3枚ずつ配ります。最後の1枚を表向きにします。
このスートが切り札になります。このカードはディラーの手札になります。
各プレイヤーの手札は9枚になります。

ゲームへの参加・不参加の決定

各プレイヤーは自分に配られた手札を見た上で、ディーラーの右隣から反時計回りに、ゲームに参加するかしないかを宣言します。
ゲームに参加する場合は、26点以上取ることを目指します。
もし26点未満だと「ポテト」と呼ばれ、失点になります。
ゲームに参加しない場合は、得点することはできませんが、失点は免れます。
もし1人だけゲームに参加となった場合は、プレイすることなく、即座に参加した唯一のプレイヤーが2点獲得します。

プレイ

ディーラーの右隣のプレイヤーが最初のリードプレイヤーになります。
該当のプレイヤーがゲームに参加していない場合は。反時計回りで最もディーラーに近いプレイヤーが最初のリードプレイヤーになります。
最初にプレイする際、手札に手役がある場合は手役の宣言をします。
手役の宣言は手札の中で一番強い手役のみ宣言できます。また直前に宣言された手役より強い手役しか宣言できません。
手役を宣言する際は、手役のみを公開します。
手役を宣言する必要がない場合は、手役を公開する必要はありません。
リードプレイヤーは手札から任意の1枚表向きに場に出します。
以降は反時計回りに以下のルールに従いプレイします。
  1. リードプレイヤーが切り札を出し、手札に切り札がある場合は必ず切り札を出さなくてはなりません。ただし切り札がJの1枚だけの場合に限り、切り札のJを出す必要はありません。
  2. リードプレイヤーが切り札以外を出し、フォローできる場合は、そのスートを出すかまたは切り札を出してもかまいません。
  3. フォローする場合は、リードで出されたスートのうち任意の1枚を出します。
  4. リードプレイヤーが出したスートがない場合、以下の4に該当しなければ、何をだしてもかまいません。
  5. 切り札以外のカードがリードで出され、かつすでにいずれかのプレイヤーが切り札を出した場合、場に出された切り札より強い切り札を出さなくてはなりません。ただし手札が切り札しかない場合は、より強いカードを持っていても弱い切り札を出すことができます。切り札が出ている場合は、切り札の中で一番強いカードを出したプレイヤーが、そのトリックを取ります。
切り札が出ていない場合は、リードされたスートの中で一番強いカードを出したプレイヤーが、そのトリックを取ります。
トリックで取ったカードは裏向きにして自分の脇に置きます。
ルール上明記されていませんが、取ったカードはいつ見てもかまいません。
「ストック」は2枚目(切り札のKまたはQ)をプレイする際に宣言します。
手役とは違い最初のトリックで宣言する必要はありません。
手役の宣言、「ストック」の宣言を忘れた場合は得点にすることはできませんので、注意してください。
また「ストック」宣言できるのは切り札のKとQを持っている時のみです。
参加しているプレイヤーの手札がなくなったら1ディール終了です。

得点

1ディール終了後、取ったカードの得点、手役の得点、「ストック」の得点を合計します。またラストトリックを取った場合は5点が加点されます。
得点を合計し、最終的な得点に換算します。
26点未満の場合は「ポテト」と呼ばれ、-1点になります。
26点以上獲得したプレイヤーで最も高い得点を取ったプレイヤー、次に高い得点を取ったプレイヤー2人は+1点を獲得します。
もし最も高い得点が3人以上いる場合(2番目が2人以上いる場合)は、カードをシャッフル後、1枚カードを引きます。一番ランクの高いプレイヤーが+1を獲得します。
1人除いて全員が26点未満の場合は、26点以上取ったプレイヤーは+2点を獲得します。
2人だけゲームに参加し、お互い推定上26点以上とれそうな場合は、2人のプレイヤーはともに+1点を獲得します。もし疑わしい場合は、実際にプレイをします。
ゲームに参加しなかったプレイヤーは得失点は発生しません。
スコアは、プラス点は縦棒1本、マイナスの時は○で表現します。
もし7点以上になったプレイヤーは勝ち抜けになり、ゲームから抜けます。
1人だけ残るまでゲームを続けます。

3人プレイのルール

3人プレイの時(脱落して3人になった場合)、以下のルールで行います。
ディール
各プレイヤーの手札が9枚になるよう、3枚ずつ配ります。残った9枚は裏向きのまま、山札として場の中央におきます。このゲームでは山札のことを「ブラインド」と呼びます。
ディーラーは「ブラインド」の一番上のカードを表向きにします
。表向きなったカードのスートが切り札になります。
各プレイヤーは手札を見た後、ディラーの右隣から以下の3つからいずれか1つを選びます。

  1. 今の手札のままゲームに参加する。
  2. ゲームに参加しない。
  3. 手札を全て捨てて、「ブラインド」を手札にしてゲームに参加する。

「3」を選択した場合は、手札を全て捨てて、「ブラインド」を手札にします。
この選択をした場合、必ずゲームに参加しなければなりません。
「3」がすでに選択済みの場合は、「1」か「2」しか選択できません。
それ以外は4人プレイと同じです。
もし3人とも26点未満の場合は、全員-1点になります。
もし手札に6枚切り札を持っているプレイヤーは、切り札歩表示のカードと交換することができます。交換した場合、手札から1枚選び「ブラインド」に置きます。
「3」を選択したプレイヤーがいる場合は、上記の交換が終わった後に手札と交換します。

2人プレイのルール

2人プレイの時(脱落して2人になった場合)、以下のルールで行います。
各プレイヤーの手札が9枚になるよう、3枚ずつ配ります。
残ったうちの9枚は裏向きのまま、山札として場の中央におきます。
このゲームでは山札のことを「ブラインド」と呼びます。
残りの9枚は「倉庫」として裏向きのまま場に置きます。「倉庫」の一番上のカードを表向きにします。このカードのスートが切り札になります。
ノンディーラーは手札を見た後、以下の3つからいずれか1つを選びます。
  1. 今の手札のままゲームに参加する。
  2. ゲームに参加しない。
  3. 手札を全て捨てて、「ブラインド」を手札にしてゲームに参加する。
「3」を選択した場合は、手札を全て捨てて、「ブラインド」を手札にします。この選択をした場合、必ずゲームに参加しなければなりません。
「3」がすでに選択済みの場合は、ディラーは「1」か「2」しか選択できません。
 ノンディラーが「1]か「2」を選択した場合、ディラーも同じ選択をします。
もし手札に6枚切り札を持っているプレイヤーは、切り札歩表示のカードと交換することができます。
交換した場合、手札から1枚選び「倉庫」に置きます。
それ以外は4人プレイと同じです。
 もし2人とも26点未満の場合は、2人とも-1点になります。

バリエーション

ゲーム終了条件
ゲーム終了を9点以上、または短縮して5点以上にすることができます。またプレイ人数より少ない点にすることもできます。
3人プレイのバリエーション
ディラーは3枚ずつ各プレイヤーの手札が9枚になるように配ります。
ディラーは最後のカードの1枚を表向きにします。このカードのスートが切り札になります。
このカードはディラーの手札になります。手札に切り札が6枚あっても交換はできません。
残った9枚は裏向きのまま山札にします。
このバリエーションでは山札のことを「ベッサーン(Bessern)」と呼びます。
各プレイヤーは「ベッサーン」との交換ができます。
交換する際は手札から3枚捨てて、「ベッサーン」から3枚手札に加えます。
「ベッサーン」と交換しても「ゲーム参加しない」を選択することができます。
2人プレイのバリエーション
ディラーは3枚ずつ各プレイヤーの手札が9枚になるように配ります。ディラーは1枚を表向きにして場に置きます。このカードのスートが切り札になります。手札に切り札が6枚あった場合、切り札表示のカードと交換することができます。さらにディラーは「ベッサーン」として、裏向きに3枚各プレイヤに配ります。この3枚は手札に加えず、裏向きのまま場に置きます。各プレイヤーは「ベッサーン」との交換ができます。交換する際は手札から3枚捨てて、「ベッサーン」から3枚手札に加えます。「ベッサーン」と交換しても「ゲーム参加しない」を選択することができます。
得点のバリエーション
いずれか1人以上のプレイヤー「ポテト」になった場合、追加点がもらえます。

  • 1人が「ポテト」の場合、最も高い得点を取ったプレイヤーに追加で+1点与えられます。
  • 2人が「ポテト」の場合、最も高い得点を取ったプレイヤーに追加で+2点与えられます。手札に切り札が6枚あっても交換はできません。
  • 3人が「ポテト」の場合、最も高い得点を取ったプレイヤーに追加で+3点与えられます。
手札のバリエーション
2人、3人プレイの時、各プレイヤーの手札を12枚ずつにします。「ベッサーン」はありません。
Berner Handjass
最終的な得点、失点を切り札によって乗数で掛けます

  • 切り札がの場合:4倍
  • 切り札がの場合:3倍
  • 切り札が♣の場合:2倍
  • 切り札が♠の場合:1倍


「ミットレール・ヤス」とは違い、積極的に得点を狙うゲームで、これはこれで面白そうです。時間がかかるゲームと思われますので、じっくりと遊ぶゲームだと思います。
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2017年8月29日火曜日

シービング・スティンク(THIEVING STINK)

THIEVING STINKは、Steve Zdancewicが創作したトリックテイキングゲームのようです。

4人用のペア戦になります。
使うトランプは、通常のトランプよりジョーカーを除いた52枚です。
各スートの強さは:A>K>Q>J>Q>9>8・・・2です。
スートの強さは♣>>>♠です。スートの強さはビッド、切り札変更の時にこの強さを適用します。
このゲームは時計回りに進行します。
最初のディーラーをジャンケンなどの適当な方法で決めます。以降ディラーは時計回りに持ち回りで交代します。
ディラーは各プレイヤーの手札が13枚になるように配ります。

カードの点数

下記の点数がついています。
・J,Q,K,A:各10点
・それ以外:0点

ビッド

各プレイヤーは切り札候補のカードを手札から1枚裏向きにして場に出します。
全員場に出したら一斉に表向きにします。
最もランクの高いカード(A>K>Q>J>10・・・2の順)が切り札スートになります。
もし複数同じ強さのランクがある場合は、スートの強さで決めます
切り札候補のカードは、1つにまとめて、切り札表示として、表向きに最も強いカードを一番上にします。
切り札表示のカードは、最初のリードプレイヤーのそばに置きます。

プレイ

最も強いカードを出したプレイヤーが最初のリードプレイヤーになります。
リードプレイヤーは、以下の2つのどちらか1つを行います、

  1. 通常にプレーをする
  2. 切り札を変更する
リードプレイヤーが手札から1枚出し、通常にプレイした場合は、以降以下のルールに従いプレイします。
1)リードで出されたスートがある場合は、必ずフォローします。複数ある場合は、任意の1枚を出します。
2)ない場合は、切り札スートを必ず出します。切り札スートが複数ある場合は、任意の1枚を出します。
3)リードされたスート、切り札スートもない場合は、何を出してもかまいません。
取ったカードは裏向きにして自分の脇に置きます。
リードプレイヤーが切り札を変更する場合、プレイ前に「切り札変更」の宣言をします。
切り札変更できるのは、切り札表示されているカードのランクより強いランク、または同じランクで強いスートのカードでのみ、切り札を変更できます。
原文では明記されていませんが、切り札表示のカードと同じスートを出すこともできます。
また切り札を変更する時のみ、「2」は最強のカードとして見なします。
例えば切り札表示のカードが9の場合は、同じランクで上書きできるのは、9か9になります。
切り札を変更した場合は、手札から出したカードを表向きにして、切り札表示のカードの上に重ねて置きます。
また切り札表示のカードを、切り札変更したプレイヤーのそばに置きます。
切り札変更をした場合は、リードプレイヤーはプレーできません。
リードプレイヤーの左隣が最初にプレイします。切り札変更が発生した場合だけ、プレイされたカードは3枚になります
切り札が出なかった場合は、リードプレイヤー(またはその左隣のプレイヤー)が出したスートの中で、一番強いカードを出したプレイヤーがそのトリックを取ります。
切り札が出ている場合は、切り札の中で一番強いカードを出したプレイヤーがそのトリックを取ります。
取ったカードは自分の脇に裏向きにして置きます。
トリックを取ったプレイヤーが次のリードプレイヤーになります。

点数

全員の手札がなくなったら1ディール終了です。
取ったカードに点数がついているカードがあれば、カードの点数を合計します。
さらに切り札表示のカードがそばに置かれているプレイヤーは、切り札表示のカードの枚数を数えます。
切り札表示のカードは、ランクに関係なく1枚につき5点になります。

ゲーム終了

いずれかのペアの合計点が500点に達したらゲーム終了です。
最も合計点が高いペアの勝ちです。
適当なラウンド数を決めて、プレイしても良いと思います。


4人のペア戦というところがミソだなと思いました。
切り札表示のカードは1枚5点つくため、かなり大事な点数です。
初期で20点約束されるのですから。
切り札表示のカードを自分のチームに持ってくためには、リードを取りかつ次の自分のリードで切り札変更をしなければならないのが、悩ましくも面白そうなところです。
機会があれば遊んでみようと思います。

Steve Zdancewic Home Page







2017年8月22日火曜日

3,6,9

3,6,9は、Alex Raulliが寄稿したトランプを使ったトリックテイキングゲームになります。
通常のトランプよりジョーカーを除いた52枚を使います。
カードの強さ:A>K>Q>J>10・・・2の順です。
切り札はありません。
4人用のゲームとしてデザインされましたが、3人、5人でも遊べます。
まずは4人のルールを説明します。3人、5人については後述します。

ディール

トランプをシャッフルし、各プレイヤーは裏向きのままトランプを1枚とります。
「3」により近いカードを引いたプレイヤーが最初のディラーになります。
最も「3」に近いカードを引いたプレイヤーが複数いる場合は、決着がつくまで引き直します。
以降ディラーは時計回りに持ち回りで交代します。
ディラーは各プレイヤーの手札が13枚になるように配ります。


プレイ

ディラーの左隣が最初のリードプレイヤーになります。
ゲームはマストフォローのトリックテイキングゲームになります。
つまりリードで出されたスートがある場合は、必ずそのスートを出します。
ない場合に限り、何を出してもかまいません。
リードで出されたスートのうち、一番強いカードを出したプレイヤーがトリックをとります。
プレイしたカードはトリック数がわかるように置きます。
全員の手札がなくなったら1ディール終了です。

得点計算

1トリックにつき1点がつきます。さらに3トリック毎に追加で2点がつきます。
例えば合計5トリックの場合は、1+1+3+1+1=7点になります。
ただし合計トリック数が3トリック,6トリック,9トリックの場合は0点です。
・得点の早見表


ゲームの終了

12ディールプレイしたらゲーム終了です。
各プレイヤーは3回ディラーになります。
合計点数が最も高いプレイヤーの勝ちです。最高得点が複数いる場合は引き分けになります。

3人用ゲーム

♥2を除いた51枚を使います。
各プレイヤーの手札は17枚になります。
9ディールプレイしたらゲーム終了です。
各プレイヤーは3回ディラーになります。
それ以外は4人プレイと同じです。
ただし合計トリック数が3,6,9の場合は0点です。
オプションルールで、さらに合計トリック数が12の場合は0点にします。

5人用ゲーム

♥2♦2を除いた50枚を使います。
各プレイヤーの手札は10枚になります。
10ディールプレイしたらゲーム終了です。
各プレイヤーは2回ディラーになります。
それ以外は4人プレイと同じです。

ただし合計トリック数が3,6,9の場合は0点です。

非常にシンプルなトリックテイキングゲームです。
手軽で初めてトリックテイキングゲームをする人でも遊べると思います。

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2017年8月16日水曜日

ディンゴ(dingo)

ディンゴはクリーブランド州オハイオにある、ゲームサークルで遊ばれたトランプゲームです。
4人用のゲームで個人戦になります。
使うトランプは、通常のトランプよりジョーカーを抜いた52枚です。
このゲームではカードの呼び名があります。
・ラビット:のカード。♦Aを「エースラビット」と呼びます。
・ディンゴ:のカード。
・オオカミ:♣、♠のカード。

カードの点数

各カードの点数がついています。場合によっては失点になることもあります。
・2~9:1点または-1点
・10,J,Q,K:2点または-2点
ダイヤ以外のA:3点または-3点
♦A:10点または-3点

このゲームでは時計回りに進行します。
最初のディラーをジャンケンなどの適当な方法で決めます。ディラーは時計回りに持ち回りで交代します。
ディーラーはA以外のダイヤを全て除外します。除外した後40枚をシャッフルし、各プレイヤーに手札が10枚になるよう配ります。
除外したダイヤ(2-3-4-5-6-7-8-9-10-J-Q-K)は山札になります。昇順にし表向きにして中央に重ねて置きます。ダイヤの2が一番上になっています。
ゲーム開始時に3回カードの交換と4回の手札の廃棄を行います。
1回目のカードの廃棄
手札から1枚表向きにして捨てます。Aは捨てることはできません。
捨て札は一番上のカードが見えるように重ねて置きます。
1回目のカードの交換
ディラーが最初に手札から1枚選び、裏向きのまま左隣のプレイヤーに渡します。渡されたカードを見た後、左隣に渡します。
交換は1周したら1回目の交換終了です。つまり最後はディーラーが受け取って1回目の交換は終了です。
2回目のカードの廃棄
1回目と同様手札から1枚表向きにして捨てます。Aは捨てることはできません。
捨て札は一番上のカードが見えるように重ねて置きます。
2回目のカードの交換
2回目の交換は正面同士で行います。ディラーが最初にカードの交換を行います。
3回目のカードの廃棄
1回目と同様手札から1枚表向きにして捨てます。Aは捨てることはできません。
捨て札は一番上のカードが見えるように重ねて置きます。
3回目のカードの交換
3回目の交換は反時計回りに行います。ディラーが最初にカードの交換を行います。
4回目のカードの廃棄
1回目と同様手札から1枚表向きにして捨てます。Aは捨てることはできません。
捨て札は一番上のカードが見えるように重ねて置きます。


狩りの開始(プレイ)

ディラーは山札の一番上のランクを宣言します。
ディラーが宣言したランクのハートを持っているプレイヤーは、必ずそのカードを場に出さなくてはなりません。
最初は「2」です。従って♥2を持っているプレイヤーは、手札から♥2を出します。
ディラーが宣言したランクのスペードまたはクラブを持っている場合は、出しても出さなくてもかまいません。原文では明記されていませんが、ここではハードを出したプレイヤーから、時計回りにパスするか、手札から出します。
スペードまたはクラブが1枚しか出なかった場合
ハートを出したプレイヤーは得点として、自分の脇に置きます。
スペードまたはクラブを出したプレイヤーは、山札の一番上のカードを得点として自分の脇に置きます。
スペードまたはクラブが別のプレイヤーから枚ずつ、計2枚出た場合
ハートを出したプレイヤーは、自分が出したカードと、最初に出たスペード(またはクラブ)のカード1枚、計2枚を得点として自分の脇に置きます。
2番目に出したプレイヤーは、自身が出したカードと山札の1番上のカード、計2枚を特典として自分の脇に置きます。
最初にスペードまたはクラブを出したプレイヤーは何ももらえません。
ハートが出たのにそれ以外のプレイヤーがパスした場合
山札の1番上のカードを失点として、得点とは別にして自分のそばに置きます。
ハートが出なかった場合は、誰もプレイできません。山札の1番上のカードを破棄します。
山札の一番上のランクと同じハートを持っているプレイヤーは、同じランクのクラブ、スペードがあったとしてもプレイすることはできません。
例えば山札の一番上が「3」で3,♣3,♠3が手札にある場合、3は必ず場に出さなくてはなりませんが、♣3,♠3はプレイできません。
これをKまで行います。
自身の手札に♠と♣の同じランクがある場合は、両方出すと損をします。どちらか1枚をプレイするかパスすることをお勧めします。

Aの狩りの開始

Kまでプレイが終わったら、Aの「狩り」を行います。Aを持っているプレイヤーは必ず場に出さなくてはなりません。それ以外のプレイヤーはAを出すかは自由です。出さなくても良いです。
Aを出したプレイヤーから時計回りにカードを出すかパスをします。
Kまでプレイが終わったら、Aの「狩り」を行います。Aを持っているプレイヤーは必ず場に出さなくてはなりません。それ以外のプレイヤーはAを出すかは自由です。出さなくても良いです。
♦A1枚と、♣Aまたは♠Aのいずれか1枚を持っていて、♦Aを出したい場合は、まず♣Aまたは♠Aをだし、もう一方のカードが出た後に、♦Aを出します。
Aの得点の処理
♥Aが出ていて、♠Aまたは♣Aが場に出ている場合は、出したプレイヤーのそれぞれの得点になります。
もし♦Aがプレイされている場合は、♦Aも得点になります。
つまり1人で♠A,♣A,♦Aの3枚を持っている場合は、3+3+10=16得点です。
1人で♠A,♣A,♥Aの3枚を持っている場合も16得点になります。
♥Aしか場に出ていない場合(ほかのプレイヤーが出さずにパスした場合)は、♥Aを出したプレイヤーの失点になります。♥Aを失点置き場に置きます。
♦Aが場に出なかった場合、♦Aを持っているプレイヤーの失点になります。♦Aを持っているプレイヤーはそのカードを見せて失点置き場におきます。
もし1人のプレイヤーがA4枚持っている場合は、即座に公開します。そのプレイヤーは19得点を獲得します。全てのAを得点置き場に置きます。
Aの狩りが終わったら1ゲーム終了です。手札を公開し、♦Aを持っているプレイヤー失点になります。
得点置き場の合計点から失点置き場の合計を差し引いた点が最終的な得点になります。

ゲームの終了

ゲーム終了は特に決められていません。5ゲームあたりか、事前に獲得点数を決めておくと良いでしょう。

まだ未プレイです。
最初の手札の捨てる・交換でほとんど方針が決まってしまうゲームです。
機会があれば遊んでみようと思います。

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Togetterまとめ



2017年8月13日日曜日

タマロー(Tamalou)

タマローは中近東で遊ばれているトランプゲームです。
フランスなどのヨーロッパでも遊ばれているようです。
「ビンゴ」、「ラスプーチン」、「Kabou(Cabo)」,「サボテン(Cactus)」などと色々な名前で呼ばれているみたいです。
2~8人まで遊べるようですが、適正人数は2~5人ぐらいまでではないかと思います。
通常のトランプ52枚を使います。
オプションでジョーカー2枚を加えることもできます。
個人的にはジョーカー1枚か2枚を入れることをお勧めします。
このゲームはトランプゲームの「ゴルフ」に非常に似ています。

ディール

このゲームでは反時計回りにゲームが進行します。
最初のディラーをジャンケンなどの適当な方法で決めます。
以降は反時計回りに持ち回りで交代します。
このゲームでは各プレイヤーに4枚配ります。
残ったカードは裏向きのまま山札として場に置きます。
配られた4枚は裏向きのまま、2x2の長方形のレイアウトになるよう配置します。
使うトランプ全てをシャッフルし、各プレイヤーにまず2枚ずつ配ります。
配られた2枚のカードは、各自自分だけ見ます。
見た後裏向きのまま配られた2枚を自分の前に置きます。
ディーラーはさらに各プレイヤーに2枚ずつ配ります。
この2枚については見ることはできません。
各プレイヤーは2x2の長方形のレイアウトになるように配置します。

プレイ

ディーラーの右隣がスタートプレイヤーです。
自分の手番になったら、次の1)、2)のどちらか1つをプレイします。
1)山札の一番上のカードを取る。
取ったカードは自分だけが見ます。
取ったカードはそのまま捨て札にしてもかまいません。
捨て札にしない場合は、自分の配置済みの4枚のいずれか1枚と交換します。
交換後裏向きにして配置します。
交換するときも配置済みのカード見ることはできません。
また交換後の配置したカードも見ることはできません、
交換したカードは捨て札になります。
捨て札は表向きにして、場の中央に重ねて置きます。
2)捨て札の一番上のカードを取る。
捨て札を取った場合、そのまま捨て札に捨てることはできません。
取ったカードは自分だけが見ます。
自分の配置済みの4枚のいずれか1枚と交換します。
交換後裏向きにして配置します。
交換するときも配置済みのカード見ることはできません。
また交換後の配置したカードも見ることはできません、
交換したカードは捨て札になります。
捨て札は表向きにして、場の中央に重ねて置きます。

カードの特殊効果

山札から取りそのまま捨て札にすることにより、特殊効果を発動するカードがあります。
特殊効果を使わずにそのまま捨て札にすることもできます。
・7,8(のぞき見):自分のレイアウトのカードを1枚自分だけ見て、元に戻すことができます。
・9,10(スパイ):他のプレイヤーのレイアウトのカードを1枚自分だけ見て、元に戻すことができます。
・J,Q(交換):他のプレイヤーのレイアウトのカードを1枚と、自分のレイアウトのカード1枚と交換することができます。カードを見ることはできません。
・K:他のプレイヤーのレイアウトのカードを1枚を見た後に、自分のレイアウトのカード1枚と交換することができます。見るだけで交換しなくてもかまいません。

カードの点数

カードの点数は以下の通りです。

タマロー宣言

自分のプレイが終わった後、自分のレイアウトのカードの合計が5点以下のプレイヤーは、タマロー宣言をすることができます。
この宣言後、ゲームは即座に終了します。
タマロー宣言し、カードの合計が5点以下の場合、得点は0点になります。
ただし、タマロー宣言したプレイヤーの合計点と同じかそれより少ない合計点だったプレイヤーがいる場合は、対象のプレイヤー全員が0点になります。
またタマロー宣言したプレイヤーは、カードの合計点のままになります。
もしタマロー宣言したプレイヤーのカードの合計点が6点以上だった場合、タマロー宣言は失敗になります。
失敗した場合、カードの合計点に加え5点のペナルティを受けます。
タマロー宣言が失敗したときも、タマロー宣言したプレイヤーの合計点と同じかそれより少ない合計点だったプレイヤーがいる場合は、対象のプレイヤー全員が0点になります。

神風

タマロー宣言後、自分のレイアウトのカードがQ2枚、K2枚だった場合、
対象のプレイヤーの得点は0点になり、他のプレイヤーの得点は50点になります。
この神風はゲームに好みで入れても入れなくても良いと思います。

ゲーム終了

いずれかのプレイヤーの得点が100点以上になったら、ゲーム終了です。
最も得点が低いプレイヤーの勝ちになります。
また得点が100点ぴったりだった場合は、得点が50点になります。
もしくは適当なゲーム数をプレイして終了でも良いと思います。

バリエーション

いくつかのバリエーションルールがあります。

・カードの交換
J,Qのカードの特集効果を使った時、交換は2人のプレイヤーに対して使うことができます。つまり2枚交換できます。

・ゲーム終了条件
100点ぴったりにだった場合、ゲーム終了ではなくします。
100点を50点にしてゲームを続行します。
ぴったり100点になった場合は何度でも50点になります。
また50点ではなく70点にするオプションもあります。

・2人プレイ時
2人プレイでは4枚ではなく6枚でプレイすることにします。
配置は3x2の配置にします。
最初に3枚配りその3枚は見て裏向きのままにします。
さらに3枚配ります。この3枚のカードは見れません。

「神風」のルールを抜いてプレイしました。
若干単調になりがちでしたが、なかなか楽しめました。
展開によって長引いてしまい冗長に感じてしまうと思います。
4人以上で遊ぶ場合は、ジョーカーは1枚か2枚を加えることをお勧めします。

参考サイト
ウィキペディア(フランス語)
CABO(PDF) ※Escale à jeux

2017年6月19日月曜日

ブキ(Buki)

オーストリアでプレイされている、「オーストリア・ドミノ」のバリエーションゲームです。
4人用のゲームです。
本来はW8のドミノを使いますが、市販されていませんので、W9を使います。
W9を使う場合:9の目を持つ牌10枚を除きます。
その後ダブル牌を全て除きます。全部で36枚になります。
このゲームではチップを使います。
またこのゲームではゲーム終了に関して、明記されておりません。
ゲーム前にプレイする参加者同士で、ゲーム数を事前に決めておくと良いでしょう。

準備

各プレイヤーにチップを均等に配ります。
初期のチップ数はゲーム開始前に相談して決めてください。
最初の親は、賭けるチップの最低数と最高数を決めます。
通常の最高額は最低額の3倍です。
最初の親の決め方は後述します。

ディール

使うドミノ全てを裏向きにシャッフルし、各プレイヤーに6枚配ります。
各プレイヤーの手札は6枚になります。
残ったドミノは裏向きのまま脇に置きます。
残ったドミノはゲーム中使うことはありません。

プレイ

最初の親は、手札に両目の合計が最も大きい牌を持っているプレイヤーです(最大は[8-7]の15になります)。
もし複数いる場合は、対象の牌の目で大きい方の目を持っているプレイヤーになります。
親が最初のスタートプレイヤーになります。時計回りに進行します。
最初に出す牌はどれでもかまいません。
以降は両端の目と同じ目の牌があれば、必ず出さなくてはなりません。
複数ある場合は、そのうちのどれか1枚を出します。
ない場合は、パスをします。
このゲームではドミノの伸びる方向は、2方向のみです。途中で分岐しません。

賭け

親以外のプレイヤーは、自分の3回目のプレイの前までに、賭けを行わなければなりません。
賭ける額は最低額以上、最高額以下です。賭けないことはできません。
また途中で賭けるチップを増やすこともできません。
賭けたチップは自分の目の前に置きます。

プレイの終了

誰かの手札が全て出し切ったらその時点でプレイ終了になり、そのプレイヤーが勝者になります。
または全員が手札がある状態でパスが一周した場合もゲーム終了となります。
この場合は、手札のドミノの目を全て合計し、最も合計数が少ないプレイヤーが勝者になります。
もし最も合計数が少ないプレイヤーが複数いる場合は、引き分けになります。
プレイ終了後、親以外のプレイヤーが新たな親になった場合は、1回めのプレイの前に賭けを行います。

チップの精算

勝ったプレイヤーは自分の賭けたチップを戻し、賭けた額の2.5倍を親からもらいます。
負けたプレイヤーの賭けたチップは、全て親がもらいます。
親が勝った時は、他のプレイヤーの賭けたチップ全てをもらいます。

次のゲーム

次のゲームの親は前回の勝者になります。
もし引き分けの場合は、賭けたチップは次回のゲームへと持ち越しになります。
引き分けであっても、次のゲームの賭けは通常通り行います。

観戦者の賭け

このゲームでは、プレイ参加しない観戦者も賭けをすることができます。
観戦者はどのプレイヤー勝つかを賭けます。
ただし親は観戦者の賭けを断ることもできます。
観戦者ごとに賭けを承諾してもかまいません(観戦者Aは賭けOK、観戦者Bは断る)。
観戦者はゲーム中、アドバイスなど口をはさむことはできません。
賭けが当たった場合に観戦者が得るチップ数は明記されておりません。
観察者とプレイヤー同士で、予め決めておくと良いと思います。

別のルール

・各プレイヤーの手札を7枚にします。
・プレイヤーは4回目のプレイの前に賭けをするというルールもあるようです。
このルールの場合、親がそのルールを断ることもできます。
このゲームでは下の写真のように交互に重ねて置いてプレイするようです。
慣れないとわかりづらいだけですので、普通においてプレイした方が良いと思います。



1度プレイしましたが結構面白かったです。
Pagatでは似たようなゲームで「プレ」、このゲームの元のゲーム「オーストリア・ドミノ」も紹介されています。
「プレ」に関しては、また別途紹介したいと思います。
参考サイト
Pagat
Wikipedia(ドイツ語)

2017年6月14日水曜日

サタット(Satat)

モーリシャス共和国で盛んなトリックテイキングゲームです。
4人のペア戦になります。
通常のジョーカーを抜いたトランプ52枚を使います。
慣れない場合は、2を抜いてジョーカー1枚を加えます。
カードの強さは:
2がに最強になります。
ジョーカーを代わりに使った場合は、ジョーカーが常に最強になります。
それ以外は、A>K>Q>J>10>9>8>7>6>5>4>3>2
です。

最初のリードプレイヤーの決め方

トランプを各自1枚ずつ引き、1番強いカードを引いたプレイヤーが最初のリードプレイヤーになります。
強さはK>Q>J>10>9・・・Aです(Aはこの時だけ最弱です)。
最も強いカードを引いたプレイヤーが複数いた場合は、そのプレイヤーたちのみで引き直しをします。

ディール

最初のリードプレイヤーの右隣がディーラーになります。
ディーラーはよくシャッフルし、各プレイヤーに裏向きに5枚ずつ配ります
最初のリードプレイヤーは、配られた5枚を見て切り札を決めることができます。
配られた5枚の中に1枚も絵札(K,Q,J)がない場合は、配り直しをさせることができます。
配り直しは2回目までです。
この時点で切り札を決めなくてもかまいません。
切り札を決めた場合は、切り札を他のプレイヤーにわかるように宣言します。それ以降切り札を変えることはできません。
次にディラーは、各プレイヤーに4枚ずつカードを2回配ります。
もし最初の5枚で切り札を決めなかった場合は、2回目に最初のリードプレイヤーに配られた4枚を裏向きに横に並べます。
最初のリードプレイヤーは、横並びの4枚のうち1枚を選び表向きにします。
この1枚が切り札スートになります。
最初のリードプレイヤーのパートナーは、手札13枚を見て1枚も切り札スートがない場合は、配り直しをさせることができます。
パートナーによる配り直し請求は何度でも行えます。

プレイ

最初のリードプレイヤーからトリックテイキングゲームを行います。
フォローの規則は次の通りです。

  • リードされたスートがある場合は、そのカードを出さなければなりません。もし複数枚ある場合、いずれか1枚を選んで出します。
  • リードされたスートがない場合は、どのスートを出してもかまいません。
出されたカードの中で切り札が出ていなければ、リードされたスートの中で1番強いカードを出したプレイヤーがトリックを取ります。
もし切り札が出ている場合は、切り札の中で1番強いカードを出したプレイヤーがトリックを取ります。
ただし2(またはジョーカー)は、例外です。
2(またはジョーカー)は、リードされたスートを持っていても、無視して出すことができます
またがリードされたとき、ハートが2(またはジョーカー)1枚だけであっても、出す必要はありません。
2(またはジョーカー)がリードで出された場合は、他のプレイヤーは切り札を出す必要があります。切り札がない場合は、どのスートを出してもかまいません。

勝敗

どちらかのチームが7トリックを取るまでゲームを続けます。
7トリック取った方がそのディールの勝者となります。
1つのチームが最初から7連勝した場合は、そのチームのプレイヤー同士で相談してゲームを続けるか、そこでやめるかを決めます。

  • 最初から7連勝した場合は、「7-0」勝ちになります。
  • 13トリック全勝した場合は、「13-0」勝ちになります。
  • それ以外で7トリック以上取った場合は、通常の勝利になります。

次のゲームのリードプレイヤー

以降最初のリードプレイヤーを「親」とします。
前回の親のチームが通常の勝利をした場合は、次のゲームのリードプレイヤーは、前回の親と同じになります。
もし親のチームが「7-0」または「13-0」勝ちをした場合は、
親のパートナーが、次の最初のリードプレイヤーになります。
ディーラーチームが7トリックとった場合は、前回の親の左隣が、次の最初のリードプレイヤーになります。

交換

もし親のチームが「7-0」勝ちした場合は、13枚配られ切り札が決まった後に、次のような交換を行います。
負けたチームのプレイヤーは、右隣のプレイヤーに手札から1枚の切り札を渡します。
切り札が複数枚ある場合は、どれでもかまいません。
切り札がない場合は、他のスートで最も強いカードを渡します。もし最も強いカードが複数枚ある場合は、選んで渡してかまいません。
いずれも♥2は渡さなくても良いです。
親のチームは、カードを受け取った後、不要なカードを左隣のプレイヤーに渡します。
「13-0」勝ちの場合は、渡すカードが2枚になります。

ゲームの終了

ゲームの終了は特に決まっていません。
ゲームを始める前にゲーム数か、勝数で決めると良いと思います。

シグナル

このゲームでは以下のシグナルが認められています。必ずしもシグナルを出す必要はありません。
プレイするときにテーブルをたたく:その時点でそのスートで最も強いカードを持っているという意味(2は含まない)
プレイするときにカードでテーブルをこする:そのスートの最後のカードをプレイする。
・パートナーがリードした時だけ使用。パートナーのプレイの後に、掌をテーブルに置き、離し、またテーブルに置く:次にリードするとき、パートナーにリードしたスートと同じ色で別のスートをリードすることを指示。
例えば今回♣なら、次は♠でリードしてという指示になります。
・左隣のプレイヤーがリードした時のみに使用:パートナーがプレイする時に、自分の手札を指ではじく:自身のプレイで勝つつもりなので、パートナーに弱いカードを出すよう指示。
・「ハートの2があります」と宣言する:ハート2が手札にあるなら、いつでも宣言できる・

最後のはもはやシグナルではないような気がします。
シグナルは全て採用する必要はありませんので、好みに応じてシグナルを採用してください。

トルップ・カシエット(Trup Kasiet)

サタットの派生ゲームです。
切り札を非公開にします。
親は切り札を決める時に、手札の1枚を裏向きに自分の前に置きます。
このカードのスートが切り札になります。
この裏向きのカードは親のみが見ます。他のプレイヤーは親がこのカードをプレイするまでは切り札を知ることはできません。
最後の4枚の時は、選んだカードを親のみが見ます。親は見た後、裏向きに自分の前に置きます。
裏向きに自分の前に置かれたカードは、手札の一部ですので使うのを忘れないでください。
プレイで誰が勝ったかは、親が公正に判定することになります。
もし裏向きの1枚が使われる前に、リードで2が出された場合は、他のプレイヤーはどのカードをプレイしてもかまいません。

またこのゲームでは親のパートナーが切り札が1枚もない場合の交換は、適用されません。


かなり最初のリードプレイヤーが有利なゲームですが、面白かったです。
派生ゲームになるとより面白いらしいので、今度機会があれば遊んでみようと思います。

参考サイト:Pagat

2017年6月3日土曜日

ブーレ(Boo-Ray)

もう1つのブーレ

ブーレというと、ゲームファームなどで紹介されているトリックテイキングゲームです。
同じ名前で違うゲームがありましたので紹介します。

準備

得点用のチップと、ビッド用の3色のチップを人数分用意します。
得点用のチップはゲーム開始前に、プレイする皆さんと相談の上決めると良いでしょう。
ビッド用のチップと得点用のチップは見分けがつきやすいものにすることを
お勧めします。
この説明では例として、ビッド用のチップを赤、青、白で説明します。
各プレイヤーに均等に得点用チップと、各色のビッド用のチップを渡します。

人数

原ルールでは明記されていません。
おそらく5~9人ぐらいまで遊べると思います。

プレイ

最初に任意の方法で最初のディーラーを決めます。
以降は時計回りで持ち回りになります。
各自1チップをポッドに支払います。
ディラーは各プレイヤーに1枚ずつ、手札が5枚になるよう、裏向きにカードを配ります。
余ったカードは裏向きのまま、中央に置き山札とします。
ディーラーは山札の1番上のカードを表向きにします。
表向きになったスートが切り札になります。
切り札表示のカードは、ゲーム中使われることはありません。
各プレイヤーは、手札を見た後3つのゲームのうち参加するゲームを1つ決めます。
ゲームに参加しないことも選べます。
後述しますがゲーム参加した場合、手札の交換をすることができます。
ローシット(Low-Shit):ポーカーで、できるだけ悪い手役を狙うゲームです。
スートによる手役の優劣はありません。
ランクの強さは、A>2>3>4>5>6>7>8>9>10>J>Q>K
K>Q>J>10>9>8>7>6>5>4>3>2>A
になります。
ストレート、フラッシュは手役になりません
最も悪い手役は、A-2-3-4-5になります。
KALO(KALO):通常のポーカーと同じですが、
Kと手札のうち最も低いランクがワイルドカードになります。
またスートによる強弱はありません。
ランクの強さは、ローシットと同じです。
ただしワイルドカードと指定できるのは、いずれか1枚になります。
原ルールではスートを無視していいかまでは、明記されていません。
おそらく無視して良いと思います。
例えば:
今の手札がK-Q-7-3-3で、Qと7を捨てて2枚山札から補充したとします。
引いてきたカードがJと2だった場合、2をワイルドカードとして使って
3のスリーカードになります。
ブーレ(Booray)
トリックテイキングゲームを行います。
最初のディラーは、「ブーレ」のゲームを選んだプレイヤーのうち、
ディラーの左隣に一番近いプレイヤーです。
通常のマストフォローのトリックテイキングゲームのルールで行います。
ランクの強さはA>K>Q>J>10>9>8>7>6>5>4>3>2です。
つまり:
・リードで出されたスートがあれば、必ず出さなくてはいけません。
・そのスートがない場合は、切り札を出しても良いですし、
他のスートを出してもかまいません。
・勝敗は切り札が出ていなければ、リードで出されたスートのカードの中で
一番強いカードを出したプレイヤーが勝ちます。
・切り札が出ている場合は、切り札の中で一番強いカードを出したプレイヤーが勝ちます。


全てのプレイヤーがチップを握るまたは、握ったふりをし終わったら、
同時に公開します。
もしいずれのゲームも参加しない場合は、チップを握りません。
使わなかったチップは、他のプレイヤーにわからないように隠します。
その後、ゲームに参加したプレイヤーのみ手札の交換を行います。
チップを握らなかったプレイヤーは、ゲームに参加しません。
即座に裏向きに手札を捨てます。
捨てた手札は
交換はディーラーの左隣から時計回りに行います。
交換は1枚~5枚までできます。交換するかしないかは自由です。
交換は手札を捨ててから、山札から補充します。
もし山札がなくなったらパスしたプレイヤーの手札をシャッフルし、
そこから補充します。
それでも足りない場合は、前のプレイヤーの捨て札をシャッフルして補充します。
同色のチップを持ったプレイヤー同士でゲームを行います。
もしその色を選んだプレイヤーが1人しかいない場合、
そのプレイヤーが即座に勝者になります。
・まず最初に「ブーレ」から行います。
一番多くトリックを取ったプレイヤーが勝者になり、それ以外は敗者になります。
もし最多トリックを取ったプレイヤーが複数いる場合、
引き分けになります。
・「ブーレ」が終わったら、「ローシット」を行います。
ポーカーで最も悪い手のプレイヤーが勝者になり、それ以外は敗者になります。
もし最も悪い手のプレイヤーが複数いる場合は、引き分けになります。
・最後に「KALO」を行います。
ポーカーで最も良い手のプレイヤーが勝者になり、それ以外は敗者になります。
もし最も良い手のプレイヤーが複数いる場合は、引き分けになります。


各ゲームの勝者は、ポッドのチップを分け合います。
余ったチップはそのままポッドに残ります。
もし勝者が1人しかいない場合は、全てのポッドを獲得します。
引き分けになった場合は、ポッドのチップを得ることはできません。
その後各ゲームの敗者は、元々ポッドにあったチップの分だけ、
ポッドに支払います。
これで1ゲーム終了になります。
全てのプレイヤーはポッドにチップを支払い、次のゲームに写ります。

ゲーム終了

いずれかのプレイヤーが4勝したらゲーム終了になります。

バリエーション

・複数ゲームの選択
ビッドのチップを2枚以上握ることにより、複数のゲームに参加できます。
ただし手札の交換は1度だけです。
・強制参加
各プレイヤーは3つのゲームのうち、必ず1つのゲームに参加しなければなりません。
4,5人の時にはお勧めのバリエーションだそうです。
・強制ダブル
最初のポッドのチップ数の倍になるまで、強制参加になります。


※原文があまりルールがはっきりと書かれていないため、いくつかルール上加筆しています。
まだ遊んでいないので、どういう感じのゲームなのかはわかりません。
バッティング要素があるので、多人数でプレイした方が良いような気がします。

・参考サイト
Lucky  Dogs Games