2017年6月19日月曜日

ブキ(Buki)

オーストリアでプレイされている、「オーストリア・ドミノ」のバリエーションゲームです。
4人用のゲームです。
本来はW8のドミノを使いますが、市販されていませんので、W9を使います。
W9を使う場合:9の目を持つ牌10枚を除きます。
その後ダブル牌を全て除きます。全部で36枚になります。
このゲームではチップを使います。
またこのゲームではゲーム終了に関して、明記されておりません。
ゲーム前にプレイする参加者同士で、ゲーム数を事前に決めておくと良いでしょう。

準備

各プレイヤーにチップを均等に配ります。
初期のチップ数はゲーム開始前に相談して決めてください。
最初の親は、賭けるチップの最低数と最高数を決めます。
通常の最高額は最低額の3倍です。
最初の親の決め方は後述します。

ディール

使うドミノ全てを裏向きにシャッフルし、各プレイヤーに6枚配ります。
各プレイヤーの手札は6枚になります。
残ったドミノは裏向きのまま脇に置きます。
残ったドミノはゲーム中使うことはありません。

プレイ

最初の親は、手札に両目の合計が最も大きい牌を持っているプレイヤーです(最大は[8-7]の15になります)。
もし複数いる場合は、対象の牌の目で大きい方の目を持っているプレイヤーになります。
親が最初のスタートプレイヤーになります。時計回りに進行します。
最初に出す牌はどれでもかまいません。
以降は両端の目と同じ目の牌があれば、必ず出さなくてはなりません。
複数ある場合は、そのうちのどれか1枚を出します。
ない場合は、パスをします。
このゲームではドミノの伸びる方向は、2方向のみです。途中で分岐しません。

賭け

親以外のプレイヤーは、自分の3回目のプレイの前までに、賭けを行わなければなりません。
賭ける額は最低額以上、最高額以下です。賭けないことはできません。
また途中で賭けるチップを増やすこともできません。
賭けたチップは自分の目の前に置きます。

プレイの終了

誰かの手札が全て出し切ったらその時点でプレイ終了になり、そのプレイヤーが勝者になります。
または全員が手札がある状態でパスが一周した場合もゲーム終了となります。
この場合は、手札のドミノの目を全て合計し、最も合計数が少ないプレイヤーが勝者になります。
もし最も合計数が少ないプレイヤーが複数いる場合は、引き分けになります。
プレイ終了後、親以外のプレイヤーが新たな親になった場合は、1回めのプレイの前に賭けを行います。

チップの精算

勝ったプレイヤーは自分の賭けたチップを戻し、賭けた額の2.5倍を親からもらいます。
負けたプレイヤーの賭けたチップは、全て親がもらいます。
親が勝った時は、他のプレイヤーの賭けたチップ全てをもらいます。

次のゲーム

次のゲームの親は前回の勝者になります。
もし引き分けの場合は、賭けたチップは次回のゲームへと持ち越しになります。
引き分けであっても、次のゲームの賭けは通常通り行います。

観戦者の賭け

このゲームでは、プレイ参加しない観戦者も賭けをすることができます。
観戦者はどのプレイヤー勝つかを賭けます。
ただし親は観戦者の賭けを断ることもできます。
観戦者ごとに賭けを承諾してもかまいません(観戦者Aは賭けOK、観戦者Bは断る)。
観戦者はゲーム中、アドバイスなど口をはさむことはできません。
賭けが当たった場合に観戦者が得るチップ数は明記されておりません。
観察者とプレイヤー同士で、予め決めておくと良いと思います。

別のルール

・各プレイヤーの手札を7枚にします。
・プレイヤーは4回目のプレイの前に賭けをするというルールもあるようです。
このルールの場合、親がそのルールを断ることもできます。
このゲームでは下の写真のように交互に重ねて置いてプレイするようです。
慣れないとわかりづらいだけですので、普通においてプレイした方が良いと思います。



1度プレイしましたが結構面白かったです。
Pagatでは似たようなゲームで「プレ」、このゲームの元のゲーム「オーストリア・ドミノ」も紹介されています。
「プレ」に関しては、また別途紹介したいと思います。
参考サイト
Pagat
Wikipedia(ドイツ語)

2017年6月14日水曜日

サタット(Satat)

モーリシャス共和国で盛んなトリックテイキングゲームです。
4人のペア戦になります。
通常のジョーカーを抜いたトランプ52枚を使います。
慣れない場合は、2を抜いてジョーカー1枚を加えます。
カードの強さは:
2がに最強になります。
ジョーカーを代わりに使った場合は、ジョーカーが常に最強になります。
それ以外は、A>K>Q>J>10>9>8>7>6>5>4>3>2
です。

最初のリードプレイヤーの決め方

トランプを各自1枚ずつ引き、1番強いカードを引いたプレイヤーが最初のリードプレイヤーになります。
強さはK>Q>J>10>9・・・Aです(Aはこの時だけ最弱です)。
最も強いカードを引いたプレイヤーが複数いた場合は、そのプレイヤーたちのみで引き直しをします。

ディール

最初のリードプレイヤーの右隣がディーラーになります。
ディーラーはよくシャッフルし、各プレイヤーに裏向きに5枚ずつ配ります
最初のリードプレイヤーは、配られた5枚を見て切り札を決めることができます。
配られた5枚の中に1枚も絵札(K,Q,J)がない場合は、配り直しをさせることができます。
配り直しは2回目までです。
この時点で切り札を決めなくてもかまいません。
切り札を決めた場合は、切り札を他のプレイヤーにわかるように宣言します。それ以降切り札を変えることはできません。
次にディラーは、各プレイヤーに4枚ずつカードを2回配ります。
もし最初の5枚で切り札を決めなかった場合は、2回目に最初のリードプレイヤーに配られた4枚を裏向きに横に並べます。
最初のリードプレイヤーは、横並びの4枚のうち1枚を選び表向きにします。
この1枚が切り札スートになります。
最初のリードプレイヤーのパートナーは、手札13枚を見て1枚も切り札スートがない場合は、配り直しをさせることができます。
パートナーによる配り直し請求は何度でも行えます。

プレイ

最初のリードプレイヤーからトリックテイキングゲームを行います。
フォローの規則は次の通りです。

  • リードされたスートがある場合は、そのカードを出さなければなりません。もし複数枚ある場合、いずれか1枚を選んで出します。
  • リードされたスートがない場合は、どのスートを出してもかまいません。
出されたカードの中で切り札が出ていなければ、リードされたスートの中で1番強いカードを出したプレイヤーがトリックを取ります。
もし切り札が出ている場合は、切り札の中で1番強いカードを出したプレイヤーがトリックを取ります。
ただし2(またはジョーカー)は、例外です。
2(またはジョーカー)は、リードされたスートを持っていても、無視して出すことができます
またがリードされたとき、ハートが2(またはジョーカー)1枚だけであっても、出す必要はありません。
2(またはジョーカー)がリードで出された場合は、他のプレイヤーは切り札を出す必要があります。切り札がない場合は、どのスートを出してもかまいません。

勝敗

どちらかのチームが7トリックを取るまでゲームを続けます。
7トリック取った方がそのディールの勝者となります。
1つのチームが最初から7連勝した場合は、そのチームのプレイヤー同士で相談してゲームを続けるか、そこでやめるかを決めます。

  • 最初から7連勝した場合は、「7-0」勝ちになります。
  • 13トリック全勝した場合は、「13-0」勝ちになります。
  • それ以外で7トリック以上取った場合は、通常の勝利になります。

次のゲームのリードプレイヤー

以降最初のリードプレイヤーを「親」とします。
前回の親のチームが通常の勝利をした場合は、次のゲームのリードプレイヤーは、前回の親と同じになります。
もし親のチームが「7-0」または「13-0」勝ちをした場合は、
親のパートナーが、次の最初のリードプレイヤーになります。
ディーラーチームが7トリックとった場合は、前回の親の左隣が、次の最初のリードプレイヤーになります。

交換

もし親のチームが「7-0」勝ちした場合は、13枚配られ切り札が決まった後に、次のような交換を行います。
負けたチームのプレイヤーは、右隣のプレイヤーに手札から1枚の切り札を渡します。
切り札が複数枚ある場合は、どれでもかまいません。
切り札がない場合は、他のスートで最も強いカードを渡します。もし最も強いカードが複数枚ある場合は、選んで渡してかまいません。
いずれも♥2は渡さなくても良いです。
親のチームは、カードを受け取った後、不要なカードを左隣のプレイヤーに渡します。
「13-0」勝ちの場合は、渡すカードが2枚になります。

ゲームの終了

ゲームの終了は特に決まっていません。
ゲームを始める前にゲーム数か、勝数で決めると良いと思います。

シグナル

このゲームでは以下のシグナルが認められています。必ずしもシグナルを出す必要はありません。
プレイするときにテーブルをたたく:その時点でそのスートで最も強いカードを持っているという意味(2は含まない)
プレイするときにカードでテーブルをこする:そのスートの最後のカードをプレイする。
・パートナーがリードした時だけ使用。パートナーのプレイの後に、掌をテーブルに置き、離し、またテーブルに置く:次にリードするとき、パートナーにリードしたスートと同じ色で別のスートをリードすることを指示。
例えば今回♣なら、次は♠でリードしてという指示になります。
・左隣のプレイヤーがリードした時のみに使用:パートナーがプレイする時に、自分の手札を指ではじく:自身のプレイで勝つつもりなので、パートナーに弱いカードを出すよう指示。
・「ハートの2があります」と宣言する:ハート2が手札にあるなら、いつでも宣言できる・

最後のはもはやシグナルではないような気がします。
シグナルは全て採用する必要はありませんので、好みに応じてシグナルを採用してください。

トルップ・カシエット(Trup Kasiet)

サタットの派生ゲームです。
切り札を非公開にします。
親は切り札を決める時に、手札の1枚を裏向きに自分の前に置きます。
このカードのスートが切り札になります。
この裏向きのカードは親のみが見ます。他のプレイヤーは親がこのカードをプレイするまでは切り札を知ることはできません。
最後の4枚の時は、選んだカードを親のみが見ます。親は見た後、裏向きに自分の前に置きます。
裏向きに自分の前に置かれたカードは、手札の一部ですので使うのを忘れないでください。
プレイで誰が勝ったかは、親が公正に判定することになります。
もし裏向きの1枚が使われる前に、リードで2が出された場合は、他のプレイヤーはどのカードをプレイしてもかまいません。

またこのゲームでは親のパートナーが切り札が1枚もない場合の交換は、適用されません。


かなり最初のリードプレイヤーが有利なゲームですが、面白かったです。
派生ゲームになるとより面白いらしいので、今度機会があれば遊んでみようと思います。

参考サイト:Pagat

2017年6月3日土曜日

ブーレ(Boo-Ray)

もう1つのブーレ

ブーレというと、ゲームファームなどで紹介されているトリックテイキングゲームです。
同じ名前で違うゲームがありましたので紹介します。

準備

得点用のチップと、ビッド用の3色のチップを人数分用意します。
得点用のチップはゲーム開始前に、プレイする皆さんと相談の上決めると良いでしょう。
ビッド用のチップと得点用のチップは見分けがつきやすいものにすることを
お勧めします。
この説明では例として、ビッド用のチップを赤、青、白で説明します。
各プレイヤーに均等に得点用チップと、各色のビッド用のチップを渡します。

人数

原ルールでは明記されていません。
おそらく5~9人ぐらいまで遊べると思います。

プレイ

最初に任意の方法で最初のディーラーを決めます。
以降は時計回りで持ち回りになります。
各自1チップをポッドに支払います。
ディラーは各プレイヤーに1枚ずつ、手札が5枚になるよう、裏向きにカードを配ります。
余ったカードは裏向きのまま、中央に置き山札とします。
ディーラーは山札の1番上のカードを表向きにします。
表向きになったスートが切り札になります。
切り札表示のカードは、ゲーム中使われることはありません。
各プレイヤーは、手札を見た後3つのゲームのうち参加するゲームを1つ決めます。
ゲームに参加しないことも選べます。
後述しますがゲーム参加した場合、手札の交換をすることができます。
ローシット(Low-Shit):ポーカーで、できるだけ悪い手役を狙うゲームです。
スートによる手役の優劣はありません。
ランクの強さは、A>2>3>4>5>6>7>8>9>10>J>Q>K
K>Q>J>10>9>8>7>6>5>4>3>2>A
になります。
ストレート、フラッシュは手役になりません
最も悪い手役は、A-2-3-4-5になります。
KALO(KALO):通常のポーカーと同じですが、
Kと手札のうち最も低いランクがワイルドカードになります。
またスートによる強弱はありません。
ランクの強さは、ローシットと同じです。
ただしワイルドカードと指定できるのは、いずれか1枚になります。
原ルールではスートを無視していいかまでは、明記されていません。
おそらく無視して良いと思います。
例えば:
今の手札がK-Q-7-3-3で、Qと7を捨てて2枚山札から補充したとします。
引いてきたカードがJと2だった場合、2をワイルドカードとして使って
3のスリーカードになります。
ブーレ(Booray)
トリックテイキングゲームを行います。
最初のディラーは、「ブーレ」のゲームを選んだプレイヤーのうち、
ディラーの左隣に一番近いプレイヤーです。
通常のマストフォローのトリックテイキングゲームのルールで行います。
ランクの強さはA>K>Q>J>10>9>8>7>6>5>4>3>2です。
つまり:
・リードで出されたスートがあれば、必ず出さなくてはいけません。
・そのスートがない場合は、切り札を出しても良いですし、
他のスートを出してもかまいません。
・勝敗は切り札が出ていなければ、リードで出されたスートのカードの中で
一番強いカードを出したプレイヤーが勝ちます。
・切り札が出ている場合は、切り札の中で一番強いカードを出したプレイヤーが勝ちます。


全てのプレイヤーがチップを握るまたは、握ったふりをし終わったら、
同時に公開します。
もしいずれのゲームも参加しない場合は、チップを握りません。
使わなかったチップは、他のプレイヤーにわからないように隠します。
その後、ゲームに参加したプレイヤーのみ手札の交換を行います。
チップを握らなかったプレイヤーは、ゲームに参加しません。
即座に裏向きに手札を捨てます。
捨てた手札は
交換はディーラーの左隣から時計回りに行います。
交換は1枚~5枚までできます。交換するかしないかは自由です。
交換は手札を捨ててから、山札から補充します。
もし山札がなくなったらパスしたプレイヤーの手札をシャッフルし、
そこから補充します。
それでも足りない場合は、前のプレイヤーの捨て札をシャッフルして補充します。
同色のチップを持ったプレイヤー同士でゲームを行います。
もしその色を選んだプレイヤーが1人しかいない場合、
そのプレイヤーが即座に勝者になります。
・まず最初に「ブーレ」から行います。
一番多くトリックを取ったプレイヤーが勝者になり、それ以外は敗者になります。
もし最多トリックを取ったプレイヤーが複数いる場合、
引き分けになります。
・「ブーレ」が終わったら、「ローシット」を行います。
ポーカーで最も悪い手のプレイヤーが勝者になり、それ以外は敗者になります。
もし最も悪い手のプレイヤーが複数いる場合は、引き分けになります。
・最後に「KALO」を行います。
ポーカーで最も良い手のプレイヤーが勝者になり、それ以外は敗者になります。
もし最も良い手のプレイヤーが複数いる場合は、引き分けになります。


各ゲームの勝者は、ポッドのチップを分け合います。
余ったチップはそのままポッドに残ります。
もし勝者が1人しかいない場合は、全てのポッドを獲得します。
引き分けになった場合は、ポッドのチップを得ることはできません。
その後各ゲームの敗者は、元々ポッドにあったチップの分だけ、
ポッドに支払います。
これで1ゲーム終了になります。
全てのプレイヤーはポッドにチップを支払い、次のゲームに写ります。

ゲーム終了

いずれかのプレイヤーが4勝したらゲーム終了になります。

バリエーション

・複数ゲームの選択
ビッドのチップを2枚以上握ることにより、複数のゲームに参加できます。
ただし手札の交換は1度だけです。
・強制参加
各プレイヤーは3つのゲームのうち、必ず1つのゲームに参加しなければなりません。
4,5人の時にはお勧めのバリエーションだそうです。
・強制ダブル
最初のポッドのチップ数の倍になるまで、強制参加になります。


※原文があまりルールがはっきりと書かれていないため、いくつかルール上加筆しています。
まだ遊んでいないので、どういう感じのゲームなのかはわかりません。
バッティング要素があるので、多人数でプレイした方が良いような気がします。

・参考サイト
Lucky  Dogs Games