2017年12月24日日曜日

ブロット・コントレ(Belote contrée)

シャッフル禁止のトリックテイキングゲーム

「ブロット・コントレ」は、フランスでよく遊ばれている「ブロット」の一種です。
4人のペア戦になります。
通常のトランプよりジョーカー、各スートの2~6を除きます。
使うカードは全部で32枚です。
このゲームは時計回りに進行します。
予めプレイするディール数(ゲーム数)を決めておきます。
ゲームを始める前に心残りがないよう、よくシャッフルしておくことをお勧めします。


カードの強さと点数

以下の表の通りになります。


ブロット

手札に切り札のKとQがあれば、それを宣言することで20点獲得します


ディール

カードをドローして、最も低いカードを引いたプレイヤーが最初のディーラーになります。
以降ディラーは時計回りに持ち回りで交代します。
ドローの時のランクの強さはA>K>Q>J>10>9>8>7になります。
もし同じ強さのカードを引いたプレイヤーが複数いる場合は、ディーラーが決まるまでカードを引き直します。
以降カードは一切シャッフルしません。
ディーラーは、カードを集め右隣にカットしてもらった後、左隣のプレイヤーから時計回りにカードを配ります。
まず各プレイヤーに3枚ずつ配り、その次に2枚ずつ、最後に3枚配ります。
各プレイヤーの手札は8枚になります。
切り札以外のカードの点数で、手札のカードの点数の合計が10点以下の時は、配り直しを請求することができます。このときディーラーは交代しません。

ビッド

ディラーの左隣のプレイヤーから時計回りにビッドを行います。
ビッドは取れると思う点数を10点単位に宣言し、さらに切り札も宣言します。
最低のビッドは80です。切り札による優劣はありません。
※ルール上明記されていませんが、1つのスートを宣言する記載から、ノートランプにすることはできないようです。
例えば「80♠」、「100」というふうにビッドをします。
また最も強いビッドは「カポ」になります。
「カポ」は、ペアで全トリックを取るという宣言になります。
「カポ」の宣言の時も切り札を宣言します。
ビッドしたくない場合はパスをします。一度パスをしても再び自分のビッドをする番になった時に、ビッドをすることができます。
直前のプレイヤーがビッドした場合は、それよりも高い数値のビッドを宣言するか、またはパスをします。
相手チームのプレイヤーのビッドの後、自分のビッドの番になった時に「コントレ」の宣言をすることができます。
この宣言は点数を2倍にするという宣言になります。
相手チームプレイヤーの「コントレ」宣言の後、自分の番の時に、得点を4倍にする「シュールコントレ」の宣言をすることができます。
「コントレ」、または「シュールコントレ」の後に通常のビッドがあった場合は、それまでの「コントレ」、または「シュールコントレ」は無効になります。
その場合は再度通常のビッドの後に「コントレ」の宣言ができます。
3人続けてパスをするとビッドは終了します。
もし誰もビッドすることなく、全員パスした場合は配り直しになります。
このときもシャッフルすることはできません。

プレイ

ディラーの左隣のプレイヤーが最初のリードプレイヤーになります。
リードプレイヤーは手札から任意の1枚をプレイします。
フォローの規則は以下の通りになります。
➢切り札がリードされた時
  1. 今までに場に出た切り札より強い切り札を持っている場合は、必ず出さなければなりません。強い切り札が複数ある場合、どれを出してもかまいません。
  2. 弱い切り札しかない場合、弱い切り札のうちいずれか1枚を出します。
  3. 切り札が1枚もない場合は、何を出してもかまいません。
➢切り札以外がリードされた時
  1. リードされたスートを持っている場合、リードされたスートを出さなければなりません。ただし強いカードを出す必要はありません。
  2. リードされたスートがない場合、パートナーが切り札以外で既に強いカードを出している時は、何をだしてもかまいません。
  3. リードされたスートがない場合、パートナーが切り札を出していて、切り札を出すときは、それより強い切り札があるときは、より強い切り札のうちいずれか1枚を出します。パートナーが出した切り札より弱い切り札しかない場合は、弱い切り札うちいずれか1枚を出します。切り札を出さない場合は、切り札以外なら何を出してもかまいません。
  4. リードされたスートがない場合、パートナーが弱いカードを出している場合、今出ている切り札より強い切り札があれば、より強い切り札のうちいずれか1枚を出します。弱い切り札しかない場合は、弱い切り札うちいずれか1枚を出します。切り札がなければ何を出してもかまいません。
切り札が出ている場合は、切り札のうち一番強いカードを出したプレイヤーがトリックを取ります。切り札が1枚も出ていなければ、リードで出されたスートの内、一番強いカードを出したプレイヤーがトリックを取ります。
トリックを取ったプレイヤーが次のリードプレイヤーになります。
最後のトリックに勝ったチームは、10点獲得します。
ブロットの宣言
手札に切り札のKとQを持っているプレイヤーは、プレイするときに以下の方法で「ブロット」の宣言することができます。
  1. 自分のプレイ時に、切り札のKまたはQのいずれか1枚を最初にプレイする際に「ブロット」と宣言する。出すときのルールは上記のフォローのルールを守らなくてはなりません。
  2. 自分のプレイ時に、残りの切り札のKまたはQの1枚をプレイする際に「ルブロット」と宣言する。出すときのルールは上記のフォローのルールを守らなくてはなりません。

得点

得点は以下の得点を合計します。
  • トリックで取ったカードの合計点(最高152点)
  • 最後のトリックを取った得点(10点)
  • ブロット(20点)
上記の合計点がビッドした点数以上であれば成功、そうでない場合は失敗です。
「ガボ」を宣言した場合は、全トリック取らなかったら失敗です。

ビッドが成功した場合
ビッドしたチームは取った得点の合計点+ビッドの点数
を獲得します。
例えばビッドで100を宣言し、実際の合計点が120点の場合は、100+120=220点になります。
相手チームも取った得点分だけ得点を獲得します。
「ガボ」を宣言して成功した場合は、500点獲得します。

➢ビッドが失敗した場合:
ビッドしたチームは得点を獲得できません。
相手チームは:
160+ビッドチームの宣言した点+ブロットの得点(20点)
を獲得します。
ブロットはビッドチーム、相手チームがしたかにもかかわらず、相手チームが得点できます。
ブロットがなかった場合は得点を獲得できません。
「ガボ」宣言を失敗した場合は、相手チームが410点獲得します。
ブロットの宣言があった場合は、それに加え20点獲得します。

コンベンション

パートナーのビッドの後で、最初のビッドをするときに、次のようなビッドをすることでパートナーに情報を伝えることができます。
このコンベンションを使うかどうかは、ゲーム前に確認してください。
ゲームに慣れていないうちは使わないことをお勧めします。
  1. 「80のビッド」:切り札のJか9のいずれか1枚を持っていて、他に切り札を1枚以上持っていることを示します。パートナーは切り札のJか9のいずれか1枚を持っているよきだけ90にビッドを上げることができます。もし切り札のJか9のいずれか1枚を持っていて、かつ切り札を1枚以上持っている場合は、それ以上ビッドで上げることができます。
  2. 「90のビッド」:切り札のJと9の両方を持っていて、他に切り札を1枚以上持っていることを示します。パートナーは点数のカードがあればその分上げることができます。
  3. 「100のビッド」:切り札のJと9の両方を持っていて、かつ切り札2枚とA1枚を持っていることを示します。または切り札のJと9の両方を持っていて、かつ切り札1枚とA2枚でもかまいません。パートナーは点数のカードがあればその分上げることができます。
  4. 「110」のビッド:切り札のJと9の両方を持っていて、かつ切り札2枚と他のスートのA2枚を持っていることを示します。パートナーは点数のカードがあればその分上げることができます。
  5. 「120のビッド」:手札に2つのスートしかなく、かつビッドした切り札のJと9の両方があることを示します。パートナーはビッドしたスート以外にAが3枚持っているときだけ10上げることができます。
  6. 130以上のビッド:「ガボ」ができるかもしれないが、確実ではないことを示します。

ゲームの終了

予め決めたディー数をプレイしたらゲームの終了です。
得点が高いチームの勝利です。
または予め点数を決めておいてもいいでしょう。通常は3000点以上ですが、好みで決めても良いです。


シャッフルしないことがこんなに違和感を生むのかと、感じるゲームでした。
シャッフルしないと手札が偏るのではないかと思ったのですが、実際に遊んでみるとそんなことはありませんでした。
ゲーム自体は面白いので、機会があればまた遊んでみたいと思います。
でもシャッフルできないので、フラストレーションがたまりそうです(笑)。

参考サイト

ウィキペディア(フランス語)
Belote contrée en ligne
Différence entre belote coinchée et belote contrée

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